14紙購読の“新聞芸人”プチ鹿島が語る情報社会の見方「リテラシーという高尚なものじゃない」

10年前はアルバイトも…一変した生活

 執筆は毎週書くものも含めると、月17本ほど書いています。ここ数年はずっと、これぐらいのペースです。コラムを書くのもそうですし、ラジオでしゃべるとか、YouTubeでもライブ配信でも、結局今まで趣味でやっていたことが、今、本業になっているので、やっと1本芯が通ったなあというのはここ数年、感じますね。あ、これでいいんだって、もうこの歳になってやっと気づいたというか、それがうれしいですよね。10年ぐらい前まではまだアルバイトもしつつ、生活していたんですけど、今は全く必要なくなりました。

 文章を書くことは好きでしたね。ただ、当然芸人として書く必要性はなかった時代が多かったので、個人で書いていました。

 転機になったのは37、8歳ぐらいのときです。コンビを解散して、ある意味、本当に1人の状態になったんですよ。何でもしなくちゃいけないときに、友人が「例えば、こういう書く仕事もあるよ」と人を紹介してくれて、ずいぶん助けられました。とにかく書かざるを得なくなったというのがスタートですね。

 それまでは芸人が文章を書くのはどうなんだろう?とかいろいろ思っていたんですけども、もう何をしてでもやっていこうと開き直りました。書くお仕事をいただいて、それを読んだ他の方がまた面白いから書いてと言ってくれて、そういうのが地道につながっていった感じですよね。本当にありがたいことだなと思っています。

□プチ鹿島(ぷち・かしま)1970年5月23日、長野県千曲市出身。大阪芸術大学放送学科卒。97年大川興業でデビュー。07年からピン芸人に。時事ネタと新聞読み比べを得意とする芸風でラジオ・テレビ、コラムで活動中。TBSラジオ「東京ポッド許可局」、YBS山梨放送「プチ鹿島の火曜キックス」レギュラー出演中。著書に「教養としてのプロレス」(双葉文庫)、「芸人式 新聞の読み方」(幻冬舎文庫)など多数。

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