14紙購読の“新聞芸人”プチ鹿島が語る情報社会の見方「リテラシーという高尚なものじゃない」

「お笑い公文書2022 こんな日本に誰がした! プチ鹿島政治コラム集」プチ鹿島著 文藝春秋
「お笑い公文書2022 こんな日本に誰がした! プチ鹿島政治コラム集」プチ鹿島著 文藝春秋

スクラップ代わりに4万8000枚の写真

 今はもう14紙ですし、仕事にもなっているので、毎日2時間ぐらいかけて読んでいますけれど、角から角まで全部一字一句を読んでいるかといったら、それはないですね。

 大学生のときの失敗を元に、全部の読み比べを朝のうちにやるかと言ったら僕はそれもしないようにしています。まず主要なものを読んで、これは後で気になったときにまとめておこうかとか、時間が空いたときに読もうかとか、そういう使い分けをしています。

 最初、興味のある記事は切り抜いてスクラップにしていたんですけど、それが苦労だったので、今はスマホで写真を撮って、フォルダを作ってまとめています。岸田政権の記事なら「岸田政権」、スポーツの記事なら「スポーツ」というフォルダです。何かネタを書くとき、「あの記事は何月何日ごろあったな」と探すときには、全部まとまっています。

 今、何枚ぐらいだろうと数えたら、4万8000枚の写真がありました。「芸人式新聞の読み方」(17年)ぐらいからこのスクラップを始めているので、5、6年で5万枚近くたまっていることになります。

 読み比べで大事なのは、例えばロシア・ウクライナ問題でも、ロシアにはロシアの正義があるし、ウクライナにはウクライナの正義がある。それを読み比べして、どっちもどっちだねというと、ちょっとまずいなと思うんですよね。このことに関しては自分はこっちだと思うなとか、このことに関してはこっちだなとか、最終的に自分の問題にしていくための読み比べであって、何か全てを相対化するという意味の読み比べにはしないようにしています。

 新聞休刊日の過ごし方ですか。その日はちょっと30分遅く起きたりとかそのぐらいですかね。原稿の締め切りもあるので、ゆっくりできるかといったら意外にそうでもなくて、朝のその時間を他の仕事に充てることも多いです。デジタルとか駅売りのスポーツ新聞とかもありますので、何かはチェックしていますね。

 今、子どもは小学生なので、一緒に朝起きて新聞をチェックしているんですけど、まだ子どもなので、読み比べはしていないですね。ただ、他の家庭よりは新聞という存在が身近にあることは確かなので、今後、何かに興味を示して読んでいけば、十分資料はそろっているので、親としては興味があるところです。

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