NCT127の東京ドーム公演参戦 “最果ての地”「ステージ体感席」で感じたライブの魅力

韓国発のボーイズグループ・NCT127(エヌシーティー・イチニナナ、韓国語は同イリチル)が28日と29日の2日間にわたって、東京都文京区の東京ドームで来日公演を行った。チケットは早々に売り切れとなっていたが、日本人メンバーのYUTA(中本悠太)が気になっていた筆者は初日公演前日の27日、「チケットぴあ」でNCT127の「ステージ体感席」(チケット1万500円、システム利用料220円、発行手数料110円、計1万830円)という名のチケットを発見。予定枚数が終了していた「ステージサイド席」より500円安い。どんな席なのか不安だったが、思い切って購入することにした。

公演後、NCT127のメンバーが並ぶ看板を撮影して喜ぶファン【ENCOUNT編集部】
公演後、NCT127のメンバーが並ぶ看板を撮影して喜ぶファン【ENCOUNT編集部】

終演後にはファンとファンのエール交換が午後10時を過ぎても続いた

 韓国発のボーイズグループ・NCT127(エヌシーティー・イチニナナ、韓国語は同イリチル)が28日と29日の2日間にわたって、東京都文京区の東京ドームで来日公演を行った。チケットは早々に売り切れとなっていたが、日本人メンバーのYUTA(中本悠太)が気になっていた筆者は初日公演前日の27日、「チケットぴあ」でNCT127の「ステージ体感席」(チケット1万500円、システム利用料220円、発行手数料110円、計1万830円)という名のチケットを発見。予定枚数が終了していた「ステージサイド席」より500円安い。どんな席なのか不安だったが、思い切って購入することにした。

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 カード決済後、セブンイレブンで発行された当日引き換え券を握って東京ドームに到着。場内案内をしていた係員に「入り口は何番ゲートですか?」とチケットを差し出すと、「ステージ体感席?」と怪訝(けげん)そうな表情を浮かべ答えが返ってこない。5、6人にたずねてやっと「33番ゲートです」との回答を得た。ゲートに向かうと、コロナの問診カードとペンを渡され身分証明書の提示を求められた。体温チェックの後、正式なチケットが発行されやっと入場。チケットには「外野席ライト側58通路」と席が指定されている。開演予定時間を5分ほど過ぎていたので小走りしながら目的地に向かった。着いた先は……センターステージがまったく見えない最果ての地。ステージサイド席とは文字通りステージを横から見る席だが、ステージ体感席はさらにその上を行く。テレビを真横から見ているような感覚だ。この日のステージは中央に開閉式の超大型モニター、その左右に2台ずつモニターを配置。チカチカ輝いているのは分かるが、角度的に何が映し出されているのか判明できない。

 チケットをよく見ると「ステージ奥エリアのため、メンバーステージ及び映像は見えません」とのただし書きがあった。しかし、筆者の席の周りには10代、20代とみられる女性ファンが大勢集結しており緑色に輝くファンライトを懸命に振り続けていた。ステージが進むにつれ会場の興奮も高まり時折大歓声が沸き起こった。しばらくすると、目の前からトロッコが動き出しそれに乗ったメンバーが大きく手を振っているではないか。ステージの真横ではあるもののスタンド後方の席よりは全然ステージに近いのでメンバーの表情までよく見える。また、ステージ横から観客全体の動きを見渡すことができるため、公演を第3者として俯瞰(ふかん)しているような感覚もあった。

 とはいうものの、やはり超大型モニターの映像は見てみたい。途中、トイレに行く際に黒カーテンのすきまからステージ正面をのぞいてみると、曲の世界観を表現した迫力のある映像が目に飛び込んできた。「ステージ体感席」からはまったく“体感”できないリアルな演出だ。5万5000人が揺らすファンライトが緑、赤、黄色に輝き東京ドーム全体が幻想的なムードに包まれていた。アンコールではメンバー9人が1人ずつあいさつしファンとの再会を喜んだ。夢だった東京ドーム単独公演を開催できたことに感激したYUTAが涙声になる場面があり、もらい泣きするファンが続出した。

 NCT127にとって特別なステージとなった東京ドーム公演を5万5000人のファンと一緒に“体感”することには大きな価値がありそうだ。映像を含めたステージ全体を観賞したい人にとってステージ体感席は“地獄”だろうが、コンサートは祝祭でもある。この日、YUTAの涙に感激したファンにとっては座席に関係なく“天国”に昇ったような気持ちになったことだろう。

 公演は3時間15分にわたって行われ午後9時半ごろ終了。終演後、大勢のファンが東京ドーム敷地内に残り、ファンライトに“推し”の応援うちわを添えて記念撮影を繰り替えすという“儀式”を始めた。東京ドームホテルを見ると宿泊しているファンが緑色のファンライトを部屋の窓越しに振っている。それを見て屋外ゲート前のファンがライトを振り返す。午後10時を過ぎてもこうしたファンとファンのエールの交換が続いていた。

 28日深夜、「チケットぴあ」には29日公演分のステージ体感席が発売されていたが、同日昼間に再度確認するとすでに売り切れ状態だった。

次のページへ (2/2) 【写真】NCT127の東京ドーム公演「ステージ体感席」と書かれた実際のチケット
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