女性週刊誌・作り手の本音 スキャンダルの言葉“使わない”、芸能人のSNS反論「フェアな時代」
「うちの雑誌にとっても今年は勝負の年」
週刊誌と聞いて、一番に思い浮かぶのは「スキャンダル」という言葉ではないだろうか。だが、金丸さんは意外な答えを。
「スキャンダルという言葉が、どうも好きじゃないんですよね。ネガティブなイメージがちらつきすぎてしまうというか……。現場の記者にはデスクとして“スクープを狙おう”とは話しますが、スキャンダルという言葉は極力使わないようにしています」
記事を書く際に信条にしていることがある。
「そのタレントさんの人生を変えてしまうぐらい、完膚なきまでに叩きのめす記事もあります。ただ、女性週刊誌はジャーナリズムというよりは少しエンターテインメント要素が強いような気がしていて、僕はワイドショーのイメージで考えています。作り話やうそのストーリーではなく、どこかに救いがあって、批判的に書くとしても余地を残せるような記事を目指しています。人間ドラマを紹介するような感覚でしょうか」
そもそも同誌の現役デスクがネットメディアのインタビュー取材に答えるのは、これまでほぼなかった。今年は“創刊65周年”のアニバーサリーイヤーということで、新たな挑戦に挑んでいる。
「アーティストの方々が周年を迎えるときって、その1年間の活動にものすごく力を入れますよね。うちの雑誌にとっても今年は勝負の年。『週刊女性』という名前を1人でも多くの人に知ってもらいたいと思って、今回のインタビューもお受けすることにしました」と思いを込める。
同誌は未来志向の採用を行っているようで、近年は若手記者を積極起用しているというのだ。
「すべての週刊誌の中で、こんなに20代の若い記者が多いのはうちだけじゃないかなと思っています。経験の乏しい若いチームで難しい取材にも取り組んでいるので、正直いまは大変です。でも若い記者たちの育成に注力することは、5年後、10年後の未来への投資でもありますからね。数年後に芽が出てきてくれればと、長い目で育成にあたっています」
金丸さんは「紙以外のビジネスでの収益モデルを模索中で、早期に築いていくことも重要なテーマです。ただ、自分自身が新聞・雑誌などの紙文化で育ってきたので、紙をなくならせてはいけない、とも強く思っています」。熱い言葉を口にした。