アメ車好き井倉光一、「欲しかったら買う」人生観 米文化イベント主催して30年の原動力
「今年のライブは、僕の大尊敬する鈴木雅之さんに来ていただけるんです」
僕の大好きなカリフォルニアの匂い、フレーバーのする本格イベントをやりたいという思いもあってね。ただ、当時30歳ぐらいで若かったからわりとさめていて1回やってやめようと思っていたけど、何年かやっていくうちに、みんな喜んでくれて「これはこれでいいな」と思い始めて。それに96年から05年まで表立った芸能活動を休止していた時期があって、その時はアメフェスがあったから仕事としては安定していたということもあった。
車関連の仕事もしっかりできていたから、さすがに40になったらやめよう、と。アメフェスを始めた時は「10年ぐらいやれば、俺と同じようなやつが出てきて、そいつが引っ張っていくから、俺はいなくなるだろうな」と思っていた。でも、そんなやつは全然出てこない。じゃあ、やめる必要もないし、50までやってみようか、と。それでもうちょっと頑張って60で終わろうと思ったら、全然できるじゃん! と。いま思ってるのは、70までやろうかな、そんな感じです。
今年のライブは、僕の大尊敬する鈴木雅之さんに来ていただけるんです。コロナ禍の影響で2020年は開催できなかったので29回目の30周年なんですけど、30年間応援してくれたファンの皆様に、感謝の気持ちを込めてスペシャルゲストを呼びたかった。そのタイミングで、マーチンさんが快くオファーを引き受けていただいて。うれしいです。本当に僕は幸せ者だと実感してます。
自分の生き方って言われても、子どもの頃から一緒で全然変わってない。アメ車も、バイクも、音楽も、僕にとってお米のようなもの。ずっと変わらない主食なんです。好きこそものの上手なれ、じゃないけど、興味を持って続けていくうちに専門みたいになっていって。それでいて飽きない。アメリカには何十回も行って、ロスにも何度も行っているけど毎回行っても新鮮。広いアメリカにはまだ行けてないところがたくさんあって、訪ねたいところはたくさんある。
車でもバイクでも欲しいものを手に入れてきたけど、それでも、まだ1つだけかなっていない夢があって。それは音楽で売れること。自分で言うのもなんだけど、いまは「中の上」だと思っていて、「上の下」にいくことが目標。音楽だけは特別売れたわけではないけど、お陰様でデビューして今年で38年。ここ何年かはむしろ昔より音楽面で人気が出ているところもあってありがたいです。でも、まだ自分の中で達成感がない。65歳までに達成感を得たいな、と。夢は武道館公演。やっぱり、ビートルズがやって、永ちゃん(矢沢永吉)が舞台に立った聖地ですから。一度はやってみたいよね。
□井倉光一(いくら・こういち)1961年10月24日、川崎市生まれ。84年に音楽デビュー。テレビ出演など多数で、車の製作・販売業にも携わっている。車・バイクに加えて、サーフィン、スノーボードもたしなむ。YouTube「IKURAちゃんネル」を運営。自身が主催し、国内最大級のアメ車、カスタムカー、カスタムバイクが集まるアメリカンカルチャー・イベント「IKURA’S AMEFES」(5月29日、富士スピードウェイ開催)は30周年を迎える。カーショーや各メーカーのディーラーブースに加え、スペシャルライブも行われる。