自衛官芸人・やす子が芸歴3年目でブレークできたワケ 平場は「人生で1番話しやすい場所」
「お笑いに興味がなかったからこそ王道ができている」
現在も即応予備自衛官であり、元は自衛隊の交通小隊で道路を作っていたというやす子。お笑いとは全くの無縁だった。
「全然興味なかったですね。山口県から京都の駐屯地に行ったんですけれど、休みの日に同じ山口の友達からなんばグランド花月(NGK)に行こうって誘われました。でも、当時は楽しみ方がわからず、あまり楽しめませんでした。お笑いが分からなかったですね」
芸人になったきっかけも特にはない。「自衛隊をやめて、ひとりになりたくてアルバイトをしているときに友達に誘われました。厳しい世界だとはなんとなくは分かっていたので、ちょっと付き合っていたら友達もあきらめるかなぐらいの気持ちで面接に。すぐやめるだろうと思っていました」と苦笑いを浮かべた。
誘ってきた相方は面接前に逃亡。同じ事務所の先輩・ハリウッドザコシショウの“裸一貫”で笑いを取る姿に感銘を受けた。そこからは強豪ひしめく芸人界を必死に走り続けている。「今はお笑いが楽しい」というやす子はキャラクターからは想像できないほど冷静に自己分析をしていた。
「千原ジュニアさんに『やっぱり3年目で出てる人はおらんな。その世代では稼ぎ頭やな』って言っていただいて。なぜか考えてみたんです」と難しい顔をする。
誰かを批判せず、真っすぐに自分の思ったことを口にする。落ち着いているだけでなく、芯の強さものぞかせた。
「自分の同年代のお笑いをやっている人を見たら、センスだったりとか自分のやりたいお笑いをやっていて、“とがっている”ネタが多いと思うんです。“とがっている”はテレビでは使いづらいんですよね。例えば“とがっている人”は、ピザを食べても『池の水の味がします』とかいうかもしれない。それよりも『おいしいです』と普通に言える方が使いやすいと思いました」
さらに「お笑いに興味がなかったからこそ王道ができているのかなと思います。テレビを見ている視聴者さんにとっては、これが良いのかなと思います」とうなずいた。