【UFC】平良達郎、デビュー戦で米ファイター圧倒も「フィニッシュできなかった」
UFCデビュー戦の平良達郎(Theパラエストラ沖縄)がカーロス・カンデラリオ(米国)に3対0の判定勝ちを収めた。
11勝目、MMAデビューから負けなし
総合格闘技イベント「UFC FIGHT NIGHTラスベガス54」(2022年5月15日(日本時間)、米ネバダ州ラスベガス・UFC APEX)フライ級、5分3R
UFCデビュー戦の平良達郎(Theパラエストラ沖縄)がカーロス・カンデラリオ(米国)に3対0の判定勝ちを収めた。
当初は4月30日(日本時間5月1日)に行われる予定だった両者の対戦だが、前日計量をクリアした後にカンデラリオの体調不良により試合は2週間延期となっていた。
沖縄本土復帰記念日である15日。ジメジメとした気候の日本とは真逆の地・ラスベガスで22歳の日本人ファイターが躍動した。デビュー戦とは思えない落ち着いた入場。リズミカルに歩みを進めながら、平良の目はオクタゴンにいるカンデラリオをじっと見つめていた。まるで獲物を狙うかの表情だった。
静かな立ち上がり。1R、平良は右のインローキックを軸に攻撃を組み立てていった。相手にテイクダウンを仕掛けられるものの落ち着いて対応。2分30秒を過ぎたころ、右ストレートを当てる。その後もボディーストレートやテイクダウンを試みるなど優勢に進めていった。
2R、平良の右ストレートが火を噴く。顎をとらえダウンを奪うと、ふらついたカンデラリオの背後へ。バックパックの姿勢から裸絞めやパンチを当てていく。そのまま相手が倒れ込むと今度はバックシッティングへ移行。絞めを狙いつつパウンド。しかし、終了間際にはトップのハーフガードポジションをカンデラリオに奪われた。
3R、序盤にいきなりテイクダウンを奪われ、ギロチンチョークを狙われる。ヒヤッとさせる場面もあったが、平良はこれにしっかりと対処。立ち上がったタイミングで相手がテイクダウンを奪いにきたところを下からカウンター気味の三角を繰り出す。相手の頭を深くとらえきれずエスケープされてしまうもバックの有利なポジションを奪った。そこからは平良の時間。終盤はトップマウントに移行し、グラウンドパンチのラッシュをし、初陣は終わった。
世界最高峰の舞台での15分間を終え、3-0の判定勝ち。マイクでは「アイム・ハッピー、サンキュー! 全部のところで勝負して全部で勝った。フィニッシュしようと思っていました。でもフィニッシュはできなかったです。何回か効かせたり。極められるかなと思ったんですけれど、相手が逃げるの上手でした。ありがとうございました!」と気持ちをあらわにした。
最後は英語で書いた手紙を取り出し、読み上げた。世界中の格闘技ファンへ向けてUFCタイトルへの意欲を示していた。
30歳のカンデラリオも今回がUFC初参戦。MMA戦績9戦8勝1敗。昨年9月に行われたダナ・ホワイトコンテンダーシリーズでは、ビクトル・アルタミラノ相手に判定負けを喫していたが、UFCとの契約に至った。
22歳の平良は第8代修斗世界フライ級王者。デビューから10戦10勝でここまできた。昨年7月に無敗のまま修斗世界フライ級王座を獲得。昨年11月には、には「VTJ」でチリ王者アルフレド・ムアイアドを1R、リアネイキドチョークで仕留めていた。同月、「MMAではフライ級で10勝(サブミッション5回、KO3回)、0敗。オレは“UFC”に言いたいことがある。3年後にUFCチャンピオンになれるように戦わせてくれ」とUFCのプロモーターダナ・ホワイト代表にメンションをつけてツイートしていた。