【ベラトール】渡辺華奈、11か月ぶり復帰戦勝利 オランダ戦士を鮮やかな三角でタップアウト

同級3位の渡辺華奈(FIGHTER’S FLOW)が同級2位のデニス・キールホルツ(オランダ)にトライアングルチョークで1本勝ちを収めた。2R、3分3秒だった。

渡辺華奈【写真:Getty Images】
渡辺華奈【写真:Getty Images】

日本から9000キロ以上先、ロンドンの地で復活

米総合格闘技団体「Bellator 281: MVP vs Storley」(2022年5月13日、英・ロンドン、OVOアリーナ・ウェンブリー、日本時間14日)女子フライ級(56.69キロ)

 同級3位の渡辺華奈(FIGHTER’S FLOW)が同級2位のデニス・キールホルツ(オランダ)にトライアングルチョークで1本勝ちを収めた。2R、3分3秒だった。

 ぐずついた天気が続く日本の明朝、9000キロ以上先のロンドンで渡辺が復活した。完全にアウェイな会場も関係ない。道着を着た日本人ファイターは、“和”を思わせるおなじみの入場曲で花道を堂々と歩く。緊張している様子はない。笑顔で拳を突き上げていた。

 ケージに入ると表情は一変する。まるで視線で相手を殺せるかの鬼の形相で後から入場してきたキールホルツを迎える。

 レスリング力もつけた新生・渡辺が帰ってきた。

 悪夢が蘇る。1R、渡辺は新たに挑戦したというサウスポーの構えで試合に入っていく。しかし、作戦は不発。キールホルツの右フック、左フックの連続攻撃を被弾し、スタン状態になった。パニックになりながらもグラウンドに逃れる。

 ここで休めたことが大きかった。ボトムポジションのキールホルツから腕を狙われるも対処。持ち前のパワーで立ち上がると、スタックガードから、重たい右パウンドを2発。クリーンヒットとはならなかったが、鈍い音を立てた。

 形勢は逆転した。パウンド後、トップのフルガードポジションを奪い、流れるようにバックマウントに移行。終盤にはリアネイキッドチョークを仕掛けた。逃してしまったものの、バックからグラウンドパンチを当て、1Rを終えた。

 コンビネーションのような寝技の連絡だった。2R、いきなりテイクダウン。1R同様、渡辺はバックポジションを奪う。攻防の末、相手にトップのハーフガードポジションを奪われるもカウンターのような形でレッグロックを仕掛けていく。

 思わずキールホルツが反則のグラウンドポジションでの顔面蹴りを打ち、試合はいったんストップした。

 思わぬ打撃を被弾してしまった。渡辺のダメージ回復に不安が残るも試合はリスタート。それでもすぐにシングルレッグを狙いタックルし、テイクダウンを奪う。バックポジションに移行すると、相手の腕、足を完全に制する。

 1分も経たないうちに失敗を修正する。相手にトップポジションを奪われそうになると、下からカウンター気味に三角絞めを仕掛ける。完全に深く入っている。相手は立って逃れようとするも、渡辺は逃がさない。2R3分3秒、11か月ぶり再起戦で1本勝ちを収めた。

 キールホルツは、“ミス・ダイナマイト”の異名を持つ33歳のファイター。アーネスト・ホーストコーチのもと、練習を積んでいる。

 渡辺は柔道をバックボーンに持つ33歳。柔道では、2016年にアジアオープン準優勝、ヨーロッパクラブ選手権準優勝などの実績を引っ提げ、MMAに転向した。19年12月にベラトール初参戦で現在までに3戦2勝1敗。前回は昨年6月に初黒星を喫して以来、11か月ぶりの復帰戦となっていた。

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