28歳で日テレ新事業社長に就任 入社前から描いていた起業プラン、慶大卒代表の素顔
目標は「令和を代表するエンターテインメント企業」
日テレ入社以前から具体的なビジョンを持っていたという大井氏の原点は2016年をもって解散した国民的グループの「SMAP」だった。
「エンタメという世界に一生をささげよう思った理由はSMAPなんです。大ファンで10年間ファンクラブにも入っていました。エンターテインメントの鑑というか、何か1つのジャンルに特化しているわけではなく、笑い、音楽、芝居など、あらゆるエンタメを表現してきたプロフェッショナル集団という見方をしています。トップでありつつ、常に新しいことに挑戦し続ける“開拓者”であるところも魅力です。エンタメと開拓者という2軸。そういったSMAPの精神を勝手に受け継いで体現しています(笑)。実際に仕事をしたことはないのでSMAPさんがどういった思いで活動されていたのかは分かりませんが、1人のファンとして見たSMAPさんの魅力や生き方を表現していきたいと思っています」
「SMAP」の“精神”を受け継ぎ始動した新会社。ClaNではどういった人材を募集しているのだろうか。大井氏は、「まずはエンターテインメントが好きな人。人を楽しませることに生きがいや情熱をもって取り組める人」を挙げる。「それぞれがClaNという“箱”の中で、やりたいことが実現できれば」と考えており、新しいエンターテインメントの形作りを、「本気で、自ら動いて、提案して、実現させたいと思っている人」にはピッタリの会社だと明かした。
また、独自の強みとして日本テレビグループであることを指摘する。「そこがほかのスタートアップと全然違うところで、最初から活用できるものがたくさんある。それは大きな魅力だと思っています。設立時点で地上波番組をやっているスタートアップは前例が無い。そういう意味でたくさん仕掛けることができる環境です。一方で新しくて自由な部分もある。これは唯一無二なんじゃないかなと思います」。
ClaNのメンバーは「ものすごい熱量」を持った20代が中心。「前例が無い状態で前例を作っていく立場」を武器に、「令和を代表するエンターテインメント企業」を目指す。
□大井基行(おおい・もとゆき)慶應義塾大学卒。28歳。2017年に日本テレビ放送網株式会社に入社。18年に社内ベンチャーとしてVTuber事業「V-Clan」を立ち上げ、責任者として事業運営を行うほか、「プロジェクトV」など多数の番組やイベントのプロデューサーも務める。22年4月1日に日本テレビ放送網の新会社としてClaN Entertainment社を設立し、代表取締役社長に就任。座右の銘は元SMAPの中居正広の言葉から「成功は保証されていないが、成長は保証されている」。