人気ストリーマー・SPYGEA、日本eスポーツ界の隆盛に感慨 6000人超イベントに「ここまで来たか」
eスポーツエンターテインメント「RAGE(レイジ)」によるタクティカルFPSゲーム「VALORANT」の有観客イベント「RAGE VALORANT 2022 Spring」が7日と8日に開催された。7日のDAY1では人気ストリーマー10人が参加し、6000人超が詰めかける大盛況。エキシビションマッチでも活躍を見せたSPYGEAに、オフライン大型イベントの所感や、日本eスポーツ界の盛り上がりについて聞いた。
7日と8日に「RAGE VALORANT 2022 Spring」開催 チケットは即完売に
eスポーツエンターテインメント「RAGE(レイジ)」によるタクティカルFPSゲーム「VALORANT」の有観客イベント「RAGE VALORANT 2022 Spring」が7日と8日に開催された。7日のDAY1では人気ストリーマー10人が参加し、6000人超が詰めかける大盛況。エキシビションマッチでも活躍を見せたSPYGEAに、オフライン大型イベントの所感や、日本eスポーツ界の盛り上がりについて聞いた。(取材・文=片村光博)
日々の配信活動でもVALORANTを積極的にプレイし、ゲーム内ランクではイモータル(上位約2%以内)に到達するSPYGEA。久しぶりのオフラインイベントは「僕の人生で一番すごいイベントでした」と興奮気味に振り返る。特に印象的だったのは、大観衆のスティックバルーンが生み出す音だったという。
「僕たちが入場する前、キャスター陣が出たときの音が忘れられないです。バケツを引っくり返したような、豪雨みたいな音が鳴っていて、心地よかったですね。あれだけ人数がいたら(禁止されていた)歓声もすごいと思うんですけど、バルーンの音はそれ以上に印象的でした」
かつては自身もタクティカルFPSゲーム「スペシャルフォース」「オーバーウォッチ」のプロ選手として活躍した。長くeスポーツに携わってきたからこそ、ここ最近のポジティブな変化を強く感じている。
「(司会の)岸大河さんも言っていましたが、昔ならタクティカルFPSのイベントを開催しても、20~30人くらいの会場でした。そんな時代から10年くらいたって、『ここまで来たか』という感覚もあります。直近のVALORANTの世界大会であるVCT(2022 VALORANT Champions Tour Stage 1 ― Masters Reykjavik)でZETA DIVISIONさんが快進撃を見せて3位になったことが、新規の方を取り込んだというのもあると思います。僕自身、詳しくは分からなくてもサッカーや野球で日本代表が勝ち進んだら応援しますし、それによって人口が増えている部分もあると思います。
どんどんゲームを見る人も増えて、プレイ人口も増えています。今後の大会も注目されると思いますし、今回より大きいイベントも開催されるんじゃないでしょうか。今回のイベントは6000人分のチケットがすぐ売り切れたと聞いているので、もっとお客さんが入る可能性はありますよね。業界はもっと盛り上がっていくんじゃないかと思っています」
ZETAが日本代表として世界を舞台に躍進し、eスポーツを“観る”文化が一気に広がった感もある。VALORANTは、“観るeスポーツ”としてどのような部分が優れているのだろうか。
「VALORANTにはアビリティーの組み合わせなどの要素もありますが、『照準を合わせて、撃って、倒す』という意味では、ゲームを全然知らない人が見ても分かりやすいですよね。基本的に、全員を倒せば勝てる。“映える”というか、入りやすいゲームなのかなと思います。
日本代表のZETAが勝ち進んだことがきっかけになって、そこから実際に見てみて、撃ち合いの勝ち負けによって雰囲気で盛り上がる。その後に、戦術などの細かい部分に入っていくのかなと。実況や解説の方も初心者に分かりやすく説明を入れてくれますし、観戦する人にとって、入りやすい理由になっているんじゃないでしょうか」
元プロ選手のストリーマーとして、急成長する日本eスポーツ界に寄り添うSPYGEA。今後も自身の配信活動を継続しながら、eスポーツが持つ“競技”としての面白さも伝えていくつもりだ。
「僕自身は楽しむ姿を見せて、視聴者が興味を持ってくれたらいいなと思っています。ただ、VCTのミラー配信(※)は、普段から自分を好きで見てくれている人に対して、新たに『こういう世界もあるんだよ』と紹介する意味も込めてやっていました。今後もやらせてもらえるのなら、ミラー配信によって引き続き新しい世界を見せていきたいし、一緒に盛り上がりたい。それに加えて、いろいろなゲームをVALORANT同様、楽しんで遊んでいきたいと思います」
※公式放送の映像を許諾の下で配信し、視聴者とともに観戦するシステム