音楽フェス常連ドラマーがMLB解説者に異例抜てき 評論家も認める逸材が誕生したワケ
ミュージシャンでメジャーリーグ(=MLB)解説者のオカモト“MOBY”タクヤが、初の著書「ベースボール・イズ・ミュージック! 音楽からはじまるメジャーリーグ入門」を上梓した。現在ABEMAやSPOTV NOWのMLB中継で活躍する彼だが、自ら集めたMLBに関するぼう大なデータを自在に操り、時には現地の解説者さえ知らないような選手の趣味や豆知識を紹介する“やたら詳しい解説者”としてMLB評論家の福島良一氏やAKI猪瀬氏、プロ野球OBからも高い評価を得ている。そんなロックバンドのドラマーがMLB解説者と二刀流で活躍するまでを追ってみた。
アフロヘア―が特徴のSCOOBIE DOのドラマーがMLBの本を出版
ミュージシャンでメジャーリーグ(=MLB)解説者のオカモト“MOBY”タクヤが、初の著書「ベースボール・イズ・ミュージック! 音楽からはじまるメジャーリーグ入門」を上梓した。現在ABEMAやSPOTV NOWのMLB中継で活躍する彼だが、自ら集めたMLBに関するぼう大なデータを自在に操り、時には現地の解説者さえ知らないような選手の趣味や豆知識を紹介する“やたら詳しい解説者”としてMLB評論家の福島良一氏やAKI猪瀬氏、プロ野球OBからも高い評価を得ている。そんなロックバンドのドラマーがMLB解説者と二刀流で活躍するまでを追ってみた。(取材・文=成瀬英樹)
「今まで25年以上バンドをやってきて自分が作曲した曲って1曲しかないんです。だから今回本を書いてみて自分の作品を生むっていうことが、こんなに面白いことなんだってあらためて実感しました」
アフロヘア―が特徴のオカモト“MOBY”タクヤ(以下、MOBY)は、今年結成27年を迎えたロックバンド「SCOOBIE DO」のドラマーとして年間100本近いライブやフェスで全国を飛び回っている。バンドメンバーは全員野球経験者で、なかでもMOBYは高校の軟式野球部出身、現在も草野球チームで本格的に大会に出場するなど、その力の入れようは趣味の粋を超えている。
「野球好きのきっかけは5歳の頃に読んだ王貞治さんの伝記です。そこに登場するベーブ・ルースやハンク・アーロンに興味を持って、当時テレビCMにピート・ローズも出演していたので、あの頃から僕の中にMLBがありました。でも、少年野球はやっていたんですが、進学した公立中学校は当時荒れていて、特に野球部は怖くてバレーボール部に入っちゃったんですよ(笑)」
本格的にメジャーリーグが好きになったのは彼が14歳の頃、1990年の日米野球だったという。当時阪神タイガースで活躍したフィルダーの凱旋をはじめ、今やレジェンドとなった選手たちが一堂に来日した。
「バリー・ボンズやケン・グリフィー・ジュニア、ランディ・ジョンソンらを生で見て完全にやられてしまい、92年、まだ高校生だったんですが、当時ミネソタ・ツインズの本拠地だったメトロドームに行って初めて本場のメジャーリーグを体験しました。球場に入った瞬間の場内の雰囲気や、湧き起こる大きな歓声に圧倒されたことを今でも覚えています。球場で流れているBGMや効果音も日本にはないカッコ良さで、そこで音楽と試合の雰囲気がひとつにつながったんです。『アメリカの野球ってなんでこんなにイカしてるの?』って」