広末涼子、休養で見つめ直した“生きる意味” 10代で過熱人気「抱えきれなかった」当時
「これまではこんなことを語るのは自分の仕事じゃないと思っていたんです」
――自身の内面にも向き合う執筆活動を通して発見したことは。
「書いていく中で自分のポジティブさを再確認したこと、想像以上にたくさんの感謝の気持ちが思い浮かんできました。今の自分の健康、日常、仕事全てに感謝したい気持ちと、今までいただいてきたたくさんの思いに恩返しをしたいとも感じました。改めて頑張っていきたいです」
――90年代後半、10代で過熱人気を経験されました。大変なこともあったと思いますが、芸能界で女優業を続けてきたこれまでをどのように考えていますか。
「いま振り返ると、いっぱいいっぱいになっていた時期がありましたね。(2004年に23歳で)第1子を出産した時に、仕事をお休みさせていただいた時期がありまして、そこで自分を見つめ直せたのが大きかったです。いい意味で、仕事が自分の一部になれたことは大切なことだったと思っています。当時は『仕事自体が成功しないと自分の価値がない』と思っていて、気がついたら自分の存在意義が仕事になっていました。本来の自分、仕事以外の自分というものを見失っていたのかもしれません。それぐらい責任があって、自分が発信することの影響力も十分に理解しています。でも、10代、20代前半の自分には抱えきれなかったのかもしれません」
――広末さんと言えば爽やかな笑顔と元気はつらつのイメージですが、そういったしんどさを抱えていたことは、いち視聴者としては当時分かりませんでした。
「私はテレビっ子だからテレビに出たいと思ったのに、テレビを楽しむ時間を取れず、当時は『好きだ』ということすら忘れていました。2年間のお休みでゆっくりテレビを見て『私、好きだったからこれやってたんだ』と改めて気付き、原点に帰ることができました。そこからはスタンスを変え、気負わずに取り組むようになれました。いただける仕事を楽しむこと、一生懸命に向き合う自分をキープすること。いまはそう考えています。
それに、いまこうしてお話をしていますが、これまではこんなことを語るのは自分の仕事じゃないと思っていたんです。ハッピーなことじゃないと夢を奪ってしまう、同じ夢を持っている人たちをがっかりさせてしまうのでは、と思っていました。ポジティブなことだけではなく、しんどいこともあったと明かすことで、話を聞いていただいた方に『自分と同じなんだ』『自分も頑張ろう』と思っていただけるなら、全然恥ずかしいことではないと考えられるようになりました。それは年齢を重ねた結果でもあるのかなとも思っています」
――ご自身の休養の経験は、つらい時期を乗り越えることへのメッセージにもなりますね。
「『つらい時は頑張りすぎないでね』と声をかけたいです。やれる時はいくらでも頑張ればいいと思っているのですが、頑張りすぎると疲れてしまい、自分を見失ってしまう可能性もあります。頑張りすぎちゃったなと思った時は、ちょっと立ち止まることも大事です。休んでもいいんです。休んだからといって自分の存在はなくなりませんし、休んでもきっとまた復活できる。疲れすぎるのを避けることの方が大事かなと思っています」
□広末涼子(ひろすえ・りょうこ)1980年7月18日、高知県生まれ。94年にCMオーディションでグランプリを獲得しデビュー。映画・ドラマ・CMなど第一線で活躍。主な出演作は、映画「鉄道員」(99年)、「おくりびと」(2008年)、「コンフィデンスマンJP 英雄編」(22年)、ドラマ「ビーチボーイズ」(97年)、「桜の塔」(21年)など。待機作には映画「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」(6月17日公開予定)、「あちらにいる鬼」(11月公開)がある。
スタイリング/岡本純子
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