広末涼子、休養で見つめ直した“生きる意味” 10代で過熱人気「抱えきれなかった」当時
女優の広末涼子(41)が、初のエッセー執筆に挑戦した。14歳で芸能界に入り40代を迎えた中で、哲学者や尊敬する女性たちの言葉を選び、自身の考えや人生観をつづった力作「ヒロスエの思考地図 しあわせのかたち」(宝島社)だ。女優として・母として・1人の女性としての“広末涼子”を凝縮した著書に込めた思い、エンタメ界で生きる意味を見つめ直したエピソードを明かした。
「休んだからといって自分の存在はなくならない」 つらい時期を乗り越えた経験
女優の広末涼子(41)が、初のエッセー執筆に挑戦した。14歳で芸能界に入り40代を迎えた中で、哲学者や尊敬する女性たちの言葉を選び、自身の考えや人生観をつづった力作「ヒロスエの思考地図 しあわせのかたち」(宝島社)だ。女優として・母として・1人の女性としての“広末涼子”を凝縮した著書に込めた思い、エンタメ界で生きる意味を見つめ直したエピソードを明かした。(取材・文=吉原知也)
――高校時代から興味を持って学んできた「哲学」を取り上げ、約2年をかけて執筆。お芝居ではない表現方法で、自身の考えを伝えようと思ったきっかけは。
「私は数字にとらわれないタイプで、自分の年齢にも興味がありませんが、40代を迎え、何か新しいチャレンジがしたい。お芝居を通してだけではなく、他の方法で皆さんと元気や勇気を共有することができないかと思い始めていたところに、今回の出版のお話をいただきました。最近インタビューを受ける中で、どういう生き方をしてきたか、これからどうしていくのかを聞かれるようになり、そういうことが求められている年齢なのかなと感じていました。本を書くことで、自分にとってすごくいい転機、いい挑戦になると思いました」
――60個の「哲学の言葉」を基にご自身の経験や前向きなメッセージをつづっており、長文ではなく、読みやすいスタイルでまとめられています。
「いろいろと考えたのですが、主に同世代の女性に向けた本にしたいと思った時に、家事・育児をする中で読書の時間を確保することはなかなか難しく、長編ものは手に取りづらいのかなと。短編小説のような読みやすい形ならば、家事の間にも読むことができる。それに、私は大学受験の時に小論文対策で毎日800字の文章を2本書いて添削してもらっていたこともあり、一番書きやすいのは800~1200字の文量。自分が好きな哲学者の言葉をフックに、読み切りの形式なら読んでもらえるかもしれないという発想で書き始め、今回のスタイルの本が出来上がりました」
――執筆は自宅で早朝の時間を使っていたそうですね。
「朝4~6時に書く時間、6~8時は家事の時間、その後子どもたちを送り出して、10分で支度をして撮影現場に行く日々でした。夜に原稿を書くとちょっと感傷的になってしまうし、普段から朝方の生活なので朝に書く方がいいかなと思ってそのスケジュールにしました。最初は冬場で寒いし暗いしきつい部分はありましたが、すぐに慣れました。それに、家族はみんな寝ているので集中できるし、こんなに自分と向き合う時間はこれまでなかったので、ある意味ぜいたくで、途中からは充実した時間になっていきました」
――原稿は手書きだったそうですが、パソコンを使わずにペンを手に取った理由は。
「これまでパソコンを使ったのは大学時代のレポートぐらいです。20代の頃から手紙は手書きで送る相手に合わせて便箋を選び、字体も工夫して、ぬくもりを感じられるようにしています。人生の中で、パソコンやスマホよりも、原稿用紙や便箋に向き合ってきた時間が長かったので、自然と手書きになりました。途中、パソコンも試してみたのですが、やっぱり手書きの方が言葉が進んでしっくりきました。赤字を入れて修正する時も、自分の字を読む方がやりやすかったです」