歌手やウェルネスなどマルチに活躍する谷村奈南（34）には、大きな支えがある。今年3月に還暦を迎えたばかりの母だ。SNSでは「美人」と話題を集めている。親友であり、同志でもある母の存在。そして、自身の今後について教えてくれた。（取材・文＝吉原知也）

　そもそも、歌が大好きに育ったのは音楽好きの両親のおかげだ。「私が母のお腹の中にいるときからずっと音楽を聴かせてくれていたそうです。それに、生まれてからも、家ではずっと音楽が流れていました。遺伝や環境もあり、必然と好きになっていきました」。

　一緒に住んでいる2人。今回は珍しく谷村の母も取材の場に同席し、仲むつまじさが伝わった。まな娘の好きな面について聞くと、「全部好きなんですけど（笑）、家にいる素の奈南はすごくかわいいんです。リラックスしていると面白くて。“おもしろかわいい”って言うのかな。表向きは強そうに見えるけど、すごく優しい子。私に『ありがとう』という時にも照れる、照れ屋さん（笑）」。その答えに谷村は恥ずかしそうに、「親バカと思われちゃうじゃん」。まるで友達同士の雰囲気で、ほっこりする。

　谷村は「私の人生、母にずっと支えてもらっています。今の私がいるのは、母の存在のおかげです」とまごころを込める。「例えばどん底の時、『もうどうにでもなっちゃえ』と自暴自棄になってしまいそうな時も、母は常に『大丈夫だから、奈南』と声をかけてくれます。これまで何回言われたか分からないぐらいです。救われてきました。それに母は、私と向き合うことを絶対にあきらめない。どんな時でも、エネルギーを使って大変だろうに、常に真摯（しんし）に向き合ってくれます」。

　母の姿勢から学ぶことが多いそうで、「ヨガは自分の内側との向き合いでもあるのですが、母を見習って自分に対してもあきらめないようにしています。母は『愛の人』だと思っています。普段は口下手ですが、母の思いはすごく伝わるんです。人に何かを伝えるということは、目に見えないところも大きいと思っています。それは感情、思い、愛です。母から学んでいます。私自身も、外側の世界と関わる時は、母のようにありたいと思っています」と、熱い思いを明かす。母への感謝は尽きない。

　そんな谷村の母は、“お若い”“きれい”とネット上でも評判だ。谷村は「母は、内面も若いです。それに、オフの時に一緒に出かけるのですが、私と変わらない感じで動いています。私の方が『腰が痛いから座りたい』とすぐなって。持久力は私よりあるんですよ（笑）。あと、母の写真をSNSに上げることがあるのですが、母はすごく恥ずかしがり屋なので、たまに『アップしないで』とけんかになることもあるんです（笑）」と教えてくれた。