バッドボーイズ佐田、YouTube成功の裏にテレビでの苦悩 「ショックなことも多かった」
「テレビはショックなことも多かった」
一方で、その裏には、テレビでの長年の葛藤もあった。
「テレビはショックなことも多かったんですよ。スタジオでめちゃくちゃウケたなあと思っても、結局オンエアでしか見れないじゃないすか。それが2週間後に放送されるときに、『これ出るから友達見てよ』とか『お母さん出るから見てよ』って言うじゃないすか。でも、自分で手応えがあっても、(放送では)ひと言ふた言しかしゃべっていないときがあるんですよ。もう恥ずかしくなってしもうて。よう俺、こんなの友達に見てねって言ったなって」
テレビで「冠番組」を持つことは芸人にとって最高の評価の証しだ。福岡から上京した佐田もそこを目指したが、思うようにいかないことが続いた。
「それからいつからか『テレビを見てね』って言わなくなったんですよね」
放送される当日まで自身がどう編集されているのか分からない。期待が大きいとその分、戸惑い、落胆した。YouTubeは結果的に、その受け皿となった。
「自分がずっとやりたかった冠番組というものができたなと思っています。芸人って全員が全員やっぱり冠番組をやりたくて始めていると思うんですよ。でも、できる人は少ない。だけど、YouTubeは別に自分が(スタッフやゲストを)そろえれば、冠番組じゃないですか。やりたいことができる。だからようやく自分の夢の城の番組ができたな、と思うんですね」と佐田は語る。
YouTubeでも多くの人を楽しませることを常に意識している。取材の中で繰り返したのは「芸人として」という言葉だ。
「視聴者からすぐに反応が返ってくるのは、ライブに似ています。ウケたな、面白いと思ってもらえたな、というときはやっぱりうれしかったりしますね、芸人として」
チャンネル登録者数は約80万人に到達も「登録者を何百万人にしたいという願望は最初からなかったですね」と、数は気にしていない。
「100万人いたらすごいでしょってルイ・ヴィトンのバッグ持っているからすごいでしょって言っているのと同じような気がして。動画を見てもらわなきゃ意味ないよって思いますね。(再生回数は)ライブでいう集客じゃないすか。テレビでいう視聴率だし、見てもらわないと何も始まらない」