「AKIRA」バイクを完全再現 作った本人にしか乗りこなせない改造車の総額は「秘密です」
あらゆる映像や資料を集めてフォルムや機構を原作に忠実に再現
こだわったのは原作の忠実な再現だ。あらゆる映像や資料を集めてフォルムや機構を分析。フロントのハンドル部分は電力駆動で上昇するようになっており、現実のバイクでは見たこともないという前輪の4本のサスペンションも完全に再現した。
「原作のバイクは全長が3メートルあるんですが、250CCのバイクの規定範囲が250cmなので、250cmギリギリで作ってます。長さを切り詰めた分、このまま走るとバランスが悪く、道路交通法にも引っ掛かるため、走るときはエアーサスペンションで車高が上がるようにしています。ホイールはLEDを使って再現しました。燃料タンクや動力部はこれからなので、一度全部オーバーホールして全部バラしちゃいますけどね」
もちろん、最終的には改造申請をクリアし、公道を走れる基準内に収めるという。アニメでは、金田がバイクに乗ろうとした仲間の鉄雄に「ピーキー(繊細)過ぎてお前にゃ無理だよ」と言い放つ印象的なシーンがあるが、このAKIRAバイクも作った本人にしか乗りこなすことは不可能だとか。
「たぶん構造を理解してないと乗れないです。車体が長くタイヤが太いので直線安定性は高いですが、その分ハンドリングはかなりシビアになってます。チューニングはマシンの走行性能をアップさせるのが目的ですが、カスタムは見た目のかっこよさ優先で乗りにくくすることなんです。テールランプが印象的なドリフトのシーン? あれはさすがに無理ですね。アニメじゃないと再現不可能だと思います(笑)」
□綾人(あやと) 1990年11月7日、香川県出身。16歳で原付免許取得後、趣味のバイク改造を始める。高校卒業後、自動車整備工場で板金塗装を担当、その後鉄工所で金属加工を担当する。20歳で上京し、接客業を経験後、地元に戻り溶接業の会社に勤務。2021年から始めたバイクや車の改造動画を投稿するYouTubeチャンネルが話題。