中村倫也&宇佐美パトリック、MMAの超逸材を擁するLDHの戦略 RIZIN参戦の可能性は?
日本と世界との差とは?
金の卵への期待感が募るだけに、米国と日本における差が気になった。
「アメリカなら、MMAというもの全体が盛り上がっている。底辺が広い。UFCは誰もが目指す場所になっている。そうなると格闘技を目指す子どもが増えてくる。日本だとまだそうでない。YouTuberが出るような舞台になってしまっています」
日本の子どもが野球やサッカーのスターに憧れるのと同じように、米国の子どもはUFCのスターが羨望(せんぼう)の的になっているのだ。
これに同調するのは、同じくLDH所属でUFCに参戦しミドル級最高3位までいった岡見勇信だ。「設備とかもあるけれど、世界が身近にある。世界を目指している選手がそばにいる。みなが世界を目指している。そういう選手がたくさんいる。それは強くなりますよね。そこの差が日本とアメリカの差として1番あるのかなと」。
口にしたのは環境の差。それを変えたいのも、また共通した思いだ。
高谷氏は「本気で世界を目指す存在を育てるのが本当に強いチーム、格闘家を育てられるのかなと思います。そこをLDHの音楽を通してより広い人に伝えて、底辺を広げられることを考えて、今回この企画を作った」と強調する。
POUND STORMはライブと格闘技が融合したこれまでになかったスタイルで開催される。普段は格闘技を見ない層が足を運ぶことになる。
「今は格闘技好きな人しか見ない。そこをLDHの力でより多くの人に注目してもらい底辺を広げてもらって、それを繰り返すことで最終的に日本の格闘技全体が底上げされるのではないかと思います」と高谷氏。
ライブパフォーマンス目当てで会場を訪れたファンの心を掴むことができるのか。それが叶うなら、自らの未来を切り拓くとともに、日本の格闘技界にとっても大きな一歩となる。
※高谷裕之の高の正式表記ははしごだか