地元・群馬から往復6時間かけて稽古 RISE女王・寺山日葵が格闘技に捧げた14年間
現在は事務仕事の合間に栄養士の勉強
格闘技から離れて3か月。「格闘技にはやっぱり携わりたい」と現在の心境を明かす。「選手として復帰するつもりはないんですけれど、また別の形で栄養士の資格を持っているから、減量とかをサポートできることもあるだろうし、選手としてやってきたからセコンドだったり、技術指導だったりもできるだろうし」と想像は膨らむ。
その上で「勉強したらもっと携われることが増えていくと思う。いろんな場所から角度から携われることって多いと思います」と見解を述べた。
セカンドキャリアはすでに始まっている。「まだハッキリとした目標とか何をしたいとは決めてない。現在の事務仕事をやりながら、合間に勉強しています」。
具体的には「格闘家の食事の話になると応用で使わなければならない。減量とか増量とかって、栄養士の観点からどうすればいいのか。いろんな人の試合を見ることをしています」。
女子キック人気をけん引してきた。SNS時代の今だからこそ盛り上がるために必要なことを冷静に分析する。
舌戦とは無縁だった寺山は、煽り(あおり)合いをどう見ているのか。
「本来格闘技ってそういうもの。人それぞれ捉え方も違うけれど、そっちの方が見てておもしろい。ただいざ自分がギラギラを向けられた時には『どう返したら面白いんだろう』と悩みました(笑)」と明かした。
“ギラギラ感”を出すことはなくとも強い信念があった。「けんかとかでなく、しのぎあうスポーツとしてやっていて、ギラギラ感がなくても気持ちの部分で『絶対に試合に勝ってやる』という思いは強くありました」。
元“女帝”から、今後の女子キック界への提言もある。「もう少しひとりひとりが主張・アピールしていけば面白いのになって思います。それこそRISEのAKARI選手だったり、小林愛三選手などのトップ選手は自分のキャラもすごいし、SNSの使い方が上手い」。
さらに「女子の選手って男子の選手より人口が少ない。その分、デビュー時にアピールの仕方によって跳ねると思う。女子選手ってそれこそ男子選手よりも容姿で目立てたり、キャラで目立ちやすいと思うんですよ」と指摘する。
“天心の妹分”としてデビューした寺山だからこそ説得力がある。「例えば料理人やりながら格闘技だったり、異色の感じが女子選手の方が目立ちやすい。さらに職業とか経歴とかがのるだけで取り上げやすいと思います」とうなずいた。
引退会見から1か月、ゆっくりとしている時間はない。「いろんな場所から角度から」格闘技を盛り上げるため、今日も何かを努力する。“寺山日葵”の第2章はすでに始まっている。