“オニイ”タレント諭吉の人生を変えた千原せいじとの出会い バー経営は苦戦も「幸せ」

FTM(元女性)のタレント・諭吉(37)は、これまでにユニット「SECRET GUYZ」のメンバーとして活動、フォトエッセー「ぼく、長女です」を発売するなど、さまざまな挑戦をしてきた。そんな諭吉に現在の新たな取組み“バー経営”について話を聞いた。

人生の転機を語る諭吉【写真:ENCOUNT編集部】
人生の転機を語る諭吉【写真:ENCOUNT編集部】

千原せいじに感謝

 FTM(元女性)のタレント・諭吉(37)は、これまでにユニット「SECRET GUYZ」のメンバーとして活動、フォトエッセー「ぼく、長女です」を発売するなど、さまざまな挑戦をしてきた。そんな諭吉に現在の新たな取組み“バー経営”について話を聞いた。(取材・文=竹之内梨佐)

 吉本興業に所属しながらお店を始めた理由はシンプルなものだった。「芸人さんたちが急にオーディションが入ったり、仕事が入ってもオッケーなシフトの働き方ができる店にしたくて」。

 元々は上京後に「千原兄弟」千原せいじが経営するバーで店長を務めていたことがきっかけだった。諭吉は「せいじさんが『芸で飯を食えない芸人の飯を食わせてやりたい』というコンセプトで経営していたので、それを継ぎたくて始めました」と説明する。

 店長という責任あるポジションを任されたことから、今の経営者としての自分がいるという。SECRET GUYZのユニット活動に専念するとき、店を離れなければいけなくなり、「『いいやんけ、頑張れよ』と送り出してくれました」とせいじから受け取った言葉を振り返る。また、店をオープンさせると連絡したときも「『行くわ!!』って言ってくれましたね」と笑顔を見せる。「せいじさんのお店で勉強しながら店長をしていなかったら、お店を出していなかったですね。めちゃくちゃ大事にしてもらいました」と胸の内に秘めた感謝を明かした。

「諭吉BAR」を新宿にオープンさせたのは、2018年12月。今年4周年を迎えるが「ほぼコロナ禍なので大打撃です」と頭を抱える。「明るい場所を提供したい」と理想を口にする彼の表情は前向きだ。

 コロナに悩まされるも「自分にとって悪いことと、いいことがあって、自分を作り上げていくもの」ときっぱり。人生の中で「後悔ないと言ったらうそだけど、タラレバのなかですごく幸せ。でも、もう少し『SECRET GUYZ』の活動はしたかったな……。でも、3人でしかできないので、解散して正解だったのは正解。悩みながら幸せに過ごせているのが大きい。(元メンバー)タイキが芸能界を引退して、男として他の道を生きているのが心強い。人生、すべて今の自分作ってくれていて、幸せ」と前を見据えた。

 ポジティブな彼の魅力に惹かれ、「諭吉BAR」が人であふれかえる日が楽しみだ。

□諭吉(ゆきち)1984年8月18日生まれ。身長164センチ。2010年に活動をスタートさせ、フォトエッセー「ぼく、長女です」を2月に発売。舞台「ダブルブッキング」や「インコンプリートボーイズ♯1下手くそすぎる生き方」などに出演。12年にFTM(元女性)ユニット「SECRET GUYZ」を結成。13年7月にCDデビューするも、18年2月に惜しまれつつ解散。アイドルグループ「吉本坂46」のオーデションファイナリストにも選ばれた経歴を持つ。同年12月からは新宿に「諭吉BAR」をオープンさせ、経営者としても活躍している。

次のページへ (2/2) 【写真】新宿で営業中の「諭吉BAR」の店内
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