高校時代は全国制覇 国内初「LoL」女性プロ・大友美有の覚悟「eスポーツなら身長も体重も関係ない」

先駆者としての覚悟を語った大友美有【写真:荒川祐史】
先駆者としての覚悟を語った大友美有【写真:荒川祐史】

女性初のLJL選手としての思い「道を整えて迎えてあげたい」

 RJ加入後は練習生期間を経て、今シーズンより正式ロースター入り。今はスターターではなくサポートの役割とはいえ、LJLにおいて女性選手は史上初だ。「注目度は高いと思いますが、その分だけ過去のことも掘り起こされると覚悟しています」と苦笑するが、「自分で『やろう』と思って来た道です。責任を負えるようになった今、どう成長しているのかを見せていくべきだと思っています」と、自身の“今”を見せるべく覚悟を示す。そこには、道を切り拓く先駆者としての思いもある。

「女性がリーグに出るにあたっての、事例が必要だと思うんです。例えばゲーミングハウスで女性の場合はどうなるのか、オフラインの場合の化粧はどうするのか、いろいろと事例が必要なことが多い。私が成功すれば、これからプロを目指そうと思っている人たちのために、道を整えて迎えてあげることができるのかなと思っています。

 eスポーツは体格差や身体能力に関係なく、(女性でも)取り組みやすいのがいいところ。他の多くのスポーツと違って、eスポーツなら身長も体重も特に関係ない。eスポーツがいいな、と思う点ですね」

 道を作っていくためにも、まずは公式戦出場が第一目標だ。練習のレベルの高さに「ちょっと不安にはなっています」と本音も明かすが、「1年前の自分と1年後の自分の違いを実感するのが好き」という向上心の強さもあり、週6回のハードな練習にも前向きに取り組んでいる。

「過去の自分と今の自分で考え方やプレイを比較して、今なら当たり前でも昔はできなかったことに成長を感じたり、プロになってからはコーチに教えてもらったりすることがすごく大きいと実感しています。もちろん教えてもらうだけではなく、個人でも反復して練習しないと身に付かないですが、やりがいを感じています」

 まだプロとしての歩みは始まったばかり。今は日々成長を実感しながら、その先にある公式戦出場、そして後に続くであろう女性プロ選手に道を作る活躍を目指していく。

□大友美有(おおとも・みゆう)2002年8月13日、埼玉県出身。中学校時代から「リーグ・オブ・レジェンド」をプレイし、N高等学校在学中の19年には全国高校eスポーツ選手権で優勝。同年のコミュニティー大会「Hungry Cup #6」でも優勝。卒業後は大学に進学する傍ら、プロゲーミングチーム「Rascal Jester」に所属。今シーズンは練習生から正式ロースター入りを果たし、国内リーグ「League of Legends Japan League」初の女性選手となった。

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