高校時代は全国制覇 国内初「LoL」女性プロ・大友美有の覚悟「eスポーツなら身長も体重も関係ない」

プロゲーミングチーム「Rascal Jester」(以下、RJ)の「リーグ・オブ・レジェンド」(LoL)部門所属の大友美有は、練習生を経て今シーズンより国内リーグ「League of Legends Japan League」(LJL)のプロ選手となった。同リーグ初の女性選手としても注目される中、その胸中に迫った。

「LoL」との出会いを明かした大友美有【写真:荒川祐史】
「LoL」との出会いを明かした大友美有【写真:荒川祐史】

「LJL」初の女性選手・大友美有 N高編入→全国制覇の“青春”からプロ入り

 プロゲーミングチーム「Rascal Jester」(以下、RJ)の「リーグ・オブ・レジェンド」(LoL)部門所属の大友美有は、練習生を経て今シーズンより国内リーグ「League of Legends Japan League」(LJL)のプロ選手となった。同リーグ初の女性選手としても注目される中、その胸中に迫った。(取材・文=片村光博)

 昨シーズンまではLJLの強豪・RJの練習生として所属し、今シーズンからサポートとして正式ロースター入りを決めた(選手名は「Shakespeare」)。高校時代はN高等学校で全国高校eスポーツ選手権優勝を果たすなど、その実力は折り紙付きだが、「練習すればするほど、LJLに出るのはまだ全然先のことなんだな、と実感しています」とプロの厳しさにも触れながら、目の前の壁に立ち向かう日々だ。

「まずは、サブや練習生のためのアカデミーリーグに自信を持って臨めるようにしたいと思っています。私は本番にすごく弱くて、直前までは『みんな緊張してるの? 私は全然緊張しないよ』ってタイプなんですが、本番が始まった瞬間に手が震えて心臓がドキドキしちゃうんです。回数をこなさないと慣れないとは思うんですが、次のアカデミーリーグでは緊張しないくらい実力を身につけたいです」

 PCゲームに触れたのは、まだ幼稚園のとき。両親がゲーマーで、母親の“アイテム拾い”を手伝うなどする中で、年長の6歳になる頃にはタイピングができるようになっていたという。そして、中学時代にとあるきっかけで「LoL」との出会いを果たし、プロへの道が続いていくことになる。

「きっかけは、中学2年生のときに、当時好きだった人からリーグ・オブ・レジェンド(LoL)を『一緒にやろうよ』と誘われたことでした。あまり一緒にゲームはしてくれなくて、気付いたらあちらが止めていましたが……(笑)。競技としてLoLに取り組むようになったのは、高校2年生あたりで大会に出始めたタイミングだったと思います」

 高校時代には、大会優勝を目標にN高等学校への編入を決断。全国高校eスポーツ選手権での優勝という、大きな成果を手に入れた。

「当時は高校生として大会に出るのも、自分の好きなメンバーと一緒に優勝を目指せるのも当たり前だと思っていて、青春や楽しい時間とはあまり思っていませんでした。ただ、振り返ってみると、好きなことを一生懸命やって結果をしっかり残せたというのは、すごいことだったと思います。思い切って行動して、運良く成功した形ではあるんですけど、やっぱり高校時代の思い出は大会の優勝や、そのために転校したこと。大事な思い出になりました」

 一方、大会決勝では出場機会が少なく、「もっと上手になって大会にもっと出たい」という気持ちが芽生えた。そこにRJから声がかかり、卒業後は通信制の大学に通いながらプロシーンに身を置くこととなった。

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