「ドライブ・マイ・カー」西島秀俊に隠れた名演技 「見ている人は分からない」担当整備士が明かす

1台1台丁寧な修理を心掛けている【写真:ENCOUNT編集部】
1台1台丁寧な修理を心掛けている【写真:ENCOUNT編集部】

走行距離は「当初の予定外」1000キロ 積載車故障のハプニング

「最初トラックで広島から北海道まで持っていく予定だったんですけど、その(車を積載する)トラックが壊れちゃって自走で行ったみたいですよ。北海道まで1000キロ走ったって言っていました。当初の予定外だったけど、無事に行って帰ってきたみたいです」

 映画の完成後、天川さんものとには映画館用のポスターやチラシが送られてきた。注目度が高まり、サーブに乗ってみたいという関心も高まっている。

 ただ、日本ではすでに発売されていない車種で、中古でもすぐに手に入れることは困難だ。「車が欲しいという人は結構いるんですけど、古い20何年前の車なので個体がない。レストアして1台を作り上げるのに2年待ちぐらいの状態なんです。それでも、乗れない車に乗れるようにするために僕らは一生懸命やっています」

 天川さんはサーブの愛好家が1人でも増えてくれることを願っている。

□天川恭男(あまかわ・やすお) 1959年9月18日、山梨県・甲府市出身。大手通信企業や自動車ディーラーの営業を経て、整備士に。1994年7月、有限会社エーツーを立ち上げ「A2ファクトリー」を設立。サーブを中心に輸入車全般の修理・販売を行っている。プライベートでもサーブ歴20年で、現在の愛車はサーブ9-3。

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