サイゼリヤ&ガスト、激安ランチバトルはどっちに軍配? 価格値上げで勢力図に変化か

サイゼリヤの日替わりランチ、ご飯大盛りドリンクバー付で650円【写真:ENCOUNT編集部】
サイゼリヤの日替わりランチ、ご飯大盛りドリンクバー付で650円【写真:ENCOUNT編集部】

仕事場所として環境の大きな違いは電源の有無

 次いでサイゼリヤ。ランチメニューはガストのような日替わりではなくスパゲッティ系、ドリア系、定食系の全9種類が一律500円。スパイシートマトハンバーグを注文すると、トマトソースとバジルソースがかかった厚めのハンバーグが運ばれてきた。ガストと違いライスの大盛りは有料でプラス50円かかるが、これでガストとほぼ同価格となる。ガストのランチはサラダが皿の上に盛られているが、サイゼリヤは別盛りでコールスローになっている。ランチドリンクバーは100円。ガストとの大きな違いは紅茶類がティーバッグになっているところ。ダージリン、アップルティー、ストロベリーティー、オレンジティー、ジャスミン、煎茶など種類も多い。ランチのご飯大盛りにドリンクバーを付けると合計650円となり、ガストとほぼ並ぶ。

 さて、ガストとサイゼリヤを仕事場所として利用する際、それぞれの環境はどうなっているだろうか。まず大きな違いは電源の有無だ。ガストはほとんどの席にコンセントがあり「ご自由にお使いください」との表示がある。長時間居座ってパソコン作業をしても電池切れの心配はいらない。一方、サイゼリヤについて言えば、座席にコンセントを備えた店舗にはこれまで出会ったことがない。パソコンの電源がどんどん減っていくのを見ると不安にかられる。また、サイゼリヤは注文する際、テーブルにある「ご注文用紙」にメニュー番号を書いて店員に手渡すスタイルになっている。

ガストはコンセント装備で仕事に便利【写真:ENCOUNT編集部】
ガストはコンセント装備で仕事に便利【写真:ENCOUNT編集部】

 サイゼリヤのもう一つの大きな特徴は各メニューの値段だ。20年7月1日からメニューの税込価格を「00円」か「50円」に統一した。例えば人気の「ミラノ風ドリア」は299円から300円に改定。この1円の値上げによってかえってキャッシュで払う客のマインドが改善し硬貨の受け渡しにかかる手間暇が店員、客双方ともに大幅減となった。さらに、SNSで「サイゼリヤ1000円ガチャ」が大流行。サイゼリヤのメニューを組み合わせて会計がちょうど1000円になるように工夫して楽しむ客が増えるという効果も現れた。グラスワインは100円、デカンタ(250ミリリットル)は250円、同(500ミリリットル)は400円。おつまみをあれこれ選び計1000円にすると、会計時は千円札1枚で済む。グループ客にとっても割り勘の計算がしやすい。こうしたキリの良さがサイゼリヤの魅力とも言えそうだ。実際、端数廃止で客単価が増えたというから興味深い。

 一方、気になるのはガストの価格改定だ。ランチドリンクバーは現在110円だが、これは13日までの期間限定料金(一部店舗はすでに6日に終了)。さらに、7日からは郊外の一部店舗で日替わりランチのメニュー変更が試験的に行われており価格は549円から593円に値上がりしている。その分、従来のハンバーグ&コロッケなどにシュウマイとコーンが加わった。ドリンクバー自体はもともと439円でセットにすると241円と安くなるが、日替わりランチにこのドリンクバーを付けると計834円に跳ね上がるのだ。14日以降に全店舗で一斉値上げとなればサイゼリヤのお得感が一気に増すことが予想される。

 ガスト関係者は「これまで好評だった日替わりランチが食べられるのは13日までになるかもしれません。最後のチャンスを逃さないでください」と話しており、SNSでもガストファンが「平日ランチ新しくなってボリューミー。40円くらい値上げ」などとつぶやている。今後、ガストの値上げに追随しサイゼリヤの価格改定も予想される。どちらも今のうち、ということかもしれない。(※メニューやランチの提供時間、価格は地域、店舗によって異なります)

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