世界情勢の不安定化によって諸物価が高騰する中、低廉なランチを提供し続けて人気を集めているのがサイゼリヤとガストだ。ファミリーレストランの顧客ランキング1位と2位を争う人気店でお昼時ともなると大にぎわいとなる。同価格帯のランチメニューをそろえている両ファミレスだが、ガストが7日から一部店舗で日替わりランチメニューを刷新。おかずを増量する代わりに40円近い値上げを実施した。この価格＆メニュー改定が今後のランチバトルにどう影響するのか注目されるが、まずはこれまでのメニューに沿って都内にある両ファミレスを比較してみたい。

　まずはガスト。各テーブルに備え付けのタブレット端末をタッチして注文する仕組みで店員との接触を減らすことができる。人気の平日日替わりランチは549円（税込、以下同）。曜日によってメニューが変わり月曜日はハンバーグトマトソース＆コロッケ、火曜日はチキンバジルチーズ＆かぼちゃコロッケ、水曜日はハンバーグトマトソース＆白身フライ、木曜日はデミグラスソース＆コロッケ、金曜日は鶏の西京焼き＆かぼちゃコロッケとなっている。ライスは大盛無料で日替わりスープおかわり自由。またライスはソフトフランスパンに変更できる。

　裏技としてオススメなのがスープの変更。無料で味噌汁にすることができるのだ（お代わり不可）。注文用のタブレットでオーダーを出す際、右方向に画面を進めていくと「スープを味噌汁に変更」の表示が出てくるのでそちらを選べばよい。ただし、味噌汁に変更すると飲み放題のスープはあきらめないといけない。味噌汁の具はワカメとネギ。味噌汁を選ぶことでより定食らしくなる。

　ガストではランチドリンクバーが110円（平日午前10時30分～午後5時）で付けられる。コーヒー類のラインナップはサイゼリヤとほぼ同じだが、お茶はティーポットから茶葉をスプーンですくってカップに入れお湯を注ぐという本格スタイル。種類は煎茶、アップルティー、黒豆茶、エレガントアールグレイ、抹茶入り玄米茶、キーモン、ダージリンティーなどがあり飲み飽きない。ランチ（ご飯大盛り）とランチドリンクバーを注文すると計659円となる。

　ガストの名物は配膳作業をするネコロボットだ。軽快なメロディーに乗って「ご注文ありがとニャー♪」と通路を行ったり来たりする姿がかわいらしいが、ときどき暴走するようだ。「ロボットの中のトレーからランチメニューのご飯と味噌汁を取り出したら、おかずと一緒に走り去ってしまいました。意外にすばしこくて5メートルほど追いかけたら店員さんが異変に気付いておかずを取り出してくれました。あせりましたよ」（常連の自営業者）。人件費削減と非接触型接客のために投入された最新の助っ人だが、近づいてきたらそれなりの用心が必要のようだ。ただし、子ども客には大好評でネコロボットに大はしゃぎする幼児の姿も。ファミリー客にはちょっとしたアトラクション感覚が楽しめる。