兄は五輪メダリスト、俳優・原沢侑高「僕はスターではない」 “ポジション探し”に奮闘中

目標は「空気の読める役者」 活躍して女手ひとつで育ててくれた母に恩返しを

 目標の役者像を聞くと「憧れと目的はまた違うじゃないですか。大好きな憧れの役者さんはいっぱいいますけど」とし「野球に例えると……」と説明し始めた。

「どのポジションにも役割があるように、どの役にも役割が絶対にあるんですよ。例えば、投手が投げた球を受け取ってしっかり返球して、サインを出して……という捕手のような役もあれば、じっと待って球が飛んできたときに動く外野手みたいな役もあると思います。僕はそういう全部のポジションに対応できる役者になりたいです。王道の主役じゃなく、僕はそこに子犬のようにくっついていくタイプ。映えるかどうか分からないですけど、そこが自分のポジションだと思うんです。そういう“空気の読める”役者になりたい」

 かつて上京に反対していたという母親も、今ではすっかり原沢のファンだそうだ。「僕が何かに出るとうれしいみたいで、何回も見てくれます。でも、『まだまだ芝居がダメね』ってよく言うんです」と話しながらも、どこかうれしそうだ。兄・久喜さんも、原沢の出演作品を欠かさずチェック。「電話で感想をもらいます。面白くなかったら面白くないって言うし、あの芝居はよかったとか正直に言ってくれます」。

 活躍することが一番の親孝行になる。「姉はもう子どももいて、兄はオリンピックに出て親孝行している。あとは、僕だけなんです」。目標はあえて定めない。偉大な兄が手にしたメダル以上の、自分だけの輝ける場所を見つけにいく。

□原沢侑高(はらさわ・ゆたか)1996年12月17日、山口県生まれ。188センチの体格を活かし「ミスタージャパン」山口県代表にも選ばれる。兄は柔道でリオデジャネイロ五輪銀メダル、東京五輪にも出場した日本代表選手・原沢久喜。主な出演作に、映画「タロウのバカ」(大森立嗣監督)「今日から俺は!」(福田雄一監督)「コンフィデンスマンJP プリンセス編」(田中亮監督)「無類」(井筒和幸監督)「マイ・ダディ」(金井純一監督)、ドラマ「絶対零度 未然犯罪潜入捜査」「SUITS2」、舞台「フラガール」(作・演出:羽原大介)、テレビCM「スズキ自動車『EVERY』」など。

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