「いぶし銀」木戸修は銀髪&口ヒゲの“イケオジ”になっていた 一糸乱れぬ髪型も健在
カール・ゴッチの一番弟子「今思えば、宝物のような時間だったよ」
――この立派なお宅に一人ですか?
「昼間はな。テレビもあまり見ないし、のんびりとしているよ。のんびりするのが好きなんだ。あとは、隣の公園を軽く走ったり、ストレッチしたり、上のベランダでトレーニングしたり……。体を動かすようにしている」
――褐色に焼けていますが、現役時代から大好きな日光浴も?
「暖かい季節には、上で上半身、裸になっているよ」
――木戸さんと言えば、コシティです。以前、お邪魔した時には、ブンブン振り回していましたよね。
「ああ、今年になってからはやってないな。あれはキツイんだよ。重いんだ。決して力だけじゃなくて、コツがあるし、バランスのとれた筋力が必要なんだけど、俺のは重いから。なかなか大変だよ」
――他ではコシティ、あまり見ないですね。
「だな。でも、体幹は鍛えられるし、鍛えにくい部分の筋力アップにもなる。ボディバランスも良くなるんじゃないか。ゴッチさんのところで、俺は教わったんだ」
――ゴッチさんが「マイ、サン(息子)」と言っていたのは木戸さんだけでした。ゴッチ道場にたくさんの選手が入門していましたけど、まさに一番弟子ですね。
「他の人のことは知らないけど、俺のカタコトの英語とゴッチさんのカタコトの日本語に、ボディーランゲージでコミュニケーションして、俺も一生懸命にやったからな。幸せだよ。こういう世界で、ああゆう人と出会えて。サウナに行ったり、飯を食ったり……今思えば、宝物のような時間だったよ」
――ゴッチさんには色んなことを教わったんですね。
「そうだよ。あの人の生き方をマネはできないけど、影響を受けているかも知れない。そうそう、腕立て用のプッシュアップ台もゴッチさんが日本に持ち込んだんだ。今では、当たり前にアチコチにあるけど、最初、日本にはなくて、俺の実家(木戸工務店)で作ったんだよ」