業界注目の21歳河合優実の野望 「突然突拍子もないこと始めるかも」と予告

「サマーフィルムにのって」「由宇子の天秤」で21年3つの新人賞を受賞し、注目の女優・河合優実(21)。最新映画「女子高生に殺されたい」(公開中、城定秀夫監督)では、「自分殺害計画」を立てる主人公(田中圭)を囲む女子高生あおいを演じた。撮影現場を振り返った。

映画「女子高生に殺されたい」で女子高生役に臨んだ河合優実【写真:荒川祐史】
映画「女子高生に殺されたい」で女子高生役に臨んだ河合優実【写真:荒川祐史】

河合優実インタビュー、最新映画「女子高生に殺されたい」で女子高生役 撮影現場を振り返る

「サマーフィルムにのって」「由宇子の天秤」で21年3つの新人賞を受賞し、注目の女優・河合優実(21)。最新映画「女子高生に殺されたい」(公開中、城定秀夫監督)では、「自分殺害計画」を立てる主人公(田中圭)を囲む女子高生あおいを演じた。撮影現場を振り返った。(取材・文=平辻哲也)

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 2019年のデビューから3年。「サマーフィルムにのって」「由宇子の天秤」「愛なのに」など女子高生役が続いている。

「役者を始めたのが高校卒業したタイミングだったので、地続きにある感じは、ずっとしていたんですけど、振り返る間もなく、3年が過ぎていきました。最近、写真を見返すと、ものすごく隔たりを感じる時もあります。とはいえ、1回通ってきた道なので、頑張れば、思い出せるし、まだ知らない未来を演じるより演じやすいですし、いろいろなタイプを演じられるのは楽しいんです」

 最新公開作「女子高生に殺されたい」は、人気漫画家・古屋兎丸の同名コミックが原作。「女子高校生に殺されたい」というゆがんだ欲望を持った人気高校教師が、自らの計画をシナリオ通りに実行するために、教え子たちを巻き込んでいく、というストーリー。撮影は昨年9月、3週間だった。城定監督の現場は、手早くプロフェッショナルに撮っていくというスタイルで、合間にキャストと話す機会はあまりなかったという。

「撮影前に予想していた程度よりも、実際にはカメラの外で役を切らさないようにしていた、という部分はあったかと思います。シリアスな部分も多く、笑うシーンもあまりなかったので、笑い方が分からなくなった、という記憶もあります」

 ヒロイン真帆役の南沙良との共演はどうだったのか。「私も彼女もすごい人見知りで、あんまり話す機会はなかったんですけども、言葉にしなくても分かりあったところもあって、心地よかったですね。すごく不思議な子で、いつもニコニコしているんですが、すごく眠そうな時もあったり、めっちゃ楽しそうにしている時もあるんですけど、お芝居をする時はすごい真剣。笑いのツボが浅くて、あおい役の私がアドリブでちょっと変なことを言うと、すぐに笑っちゃう。夜の撮影では、カエルを手で捕まえて、カエルが苦手なマネジャーに差し出して、全力ダッシュ……みたいなこともありました」。

 主演の田中には大人の余裕を感じた。「多分、忙しい時期だったと思うんですが、悩んだり、立ち止まっていたことは見てないですし、ずっとみんなを笑わせてくれていました。雪生君(細田佳央太)とのお芝居では、若い役者にちゃんと刺激を与えることも半ば意識的にやってくれていました。自分だけが目立つこともできるけど、それぞれのキャラが立つように主演として向き合ってくださった、と思います」。

 映画では、ヒロインの友人役、物語のカギを握る人物など、二、三番手の役で存在感を見せているが、「こっちの方を楽しみたいといったことはないんですけども、脇役は物語に刺激を与える側なので、面白いなと思っています。主演やヒロインは経験がないので、やってみて、感じ方は変わってくるかもしれませんが」と話す。

 自分の内側から湧き上がった「表現したい」という欲求から、見いだした女優の道だが、将来はどんなビジョンを描いているのか。

「もともと興味がある表現の方法は色んな形があるし、一生演技一筋! と決めている訳ではないですが、いま何かほかの具体的なプランはないです。いまのところ、一番お芝居が楽しいですし、やればやるほど何かわからないことが増えていくし、知ることが楽しいんですね。今は、舞台と映画をベースにして、そのなかで歌とかダンスとかがやれたら一番いいのかなと思います。でも、突然、突拍子もないことを始めるかも」と笑う。まずは河合の主演作も観てみたい。

□河合優実(かわい・ゆうみ)2000年12月19日、東京都出身。19年デビュー。21年「サマーフィルムにのって」、「由宇子の天秤」での演技が高く評価され、第43回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞、第35回高崎映画祭最優秀新人俳優賞、第95回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞、第64回ブルーリボン賞新人賞、2021年度全国映連賞女優賞を受賞。主な出演作に「喜劇 愛妻物語」(20)、「佐々木、イン、マイマイン」(20)、ドラマ「さまよう刃」(21)、舞台「フリムンシスターズ」(20)など。2022年は「ちょっと思い出しただけ」、「愛なのに」、「PLAN75」、「ある男」、ドラマ「17才の帝国」(NHK)、舞台「ドライブイン カリフォルニア」などに出演。

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