日本人男性がウクライナで“難民支援食堂”準備 「丸美屋に届けこの声!!」と協力呼びかけ
ロシアによるウクライナ侵攻が始まって1か月あまり、両国の停戦交渉は難航しており、いまだ収束の兆しは見えていない。28日までキエフなどに滞在し、現在はポーランドから難民支援の活動を行う日本人ボランティアの伊藤翔さんは27日、ツイッターに「丸美屋の人とかいませんかね?!」「ほしいふりかけあって、業務用など色々取引の話ししたいんだけど」と投稿。戦地でなぜふりかけが必要なのか、現在は物資調達のためポーランドに滞在している伊藤さんに話を聞いた。
車での支援物資の輸送や避難民のサポートなどの活動を自己資金で行っている
ロシアによるウクライナ侵攻が始まって1か月あまり、両国の停戦交渉は難航しており、いまだ収束の兆しは見えていない。28日までキエフなどに滞在し、現在はポーランドから難民支援の活動を行う日本人ボランティアの伊藤翔さんは27日、ツイッターに「丸美屋の人とかいませんかね?!」「ほしいふりかけあって、業務用など色々取引の話ししたいんだけど」と投稿。戦地でなぜふりかけが必要なのか、現在は物資調達のためポーランドに滞在している伊藤さんに話を聞いた。
もともと日本で経営者をしていた伊藤さんは昨年10月、黒海を挟んだウクライナの隣国ジョージアに移住。今月3日からボランティアとしてウクライナに入国し、ロシア軍が迫る中、車での支援物資の輸送や避難民のサポートなどの活動を自己資金で行っている。
ウクライナの状況について、「車がなかったり、電車が通ってない町にも避難を望んでいる女性や子どもが大勢いる。何10キロも歩いて避難できない人を車に乗せたり、家をなくした人に宿泊施設を手配したり……。今はロシア軍に包囲されている一部の地域を除けば、住民の避難はだいたい完了してきた。これからはウクライナ国内でなく、国外に出た難民のための持続的な支援が必要になってくると思います」と伊藤さん。
住民の避難がおおよそ完了した今、伊藤さんが考えているのが難民の長期的な滞在や食事ができる宿泊施設の運営だ。すでにリビウにある食堂を買い取り、料理人を手配するなど準備を進めている。一時的な支援ではなく、事業として成立させることを目指し、難民以外の利用者からは料金を取って運営することも検討中だ。
27日にはツイッターで「丸美屋の人とかいませんかね?! ウクライナの難民の人のために現地でおにぎりも提供したいんだけど、ほしいふりかけあって、業務用など色々取引の話ししたいんだけど、音声通話日本にできないから、繋いでくれる人とかいればな…丸美屋に届けこの声!!」と投稿し、食品加工メーカー大手の丸美屋に協力を呼び掛けた。
「メインはウクライナ料理ですが、日本食も出すことで付加価値がつけられる。『おむすびチャンネル』というライブ配信コミュニティーに協力してもらっている縁もあって、まずはおにぎりで、コストや手間、保存性も考えるとふりかけがいいんじゃないかと。具がないおにぎりは味気ないですが、丸美屋さんのふりかけおにぎりはそれだけでおいしいので、何とか取引ができないかと考えているところです」
これまで企業から寄付や資金援助の申し出もあったが、基本的には受け取ってこなかったという。「自己資金がまだあったし、自分のお金だからこそ自分の使いたいようにバンバン使えた。人からいただいたお金だと、用途をはっきりさせなきゃいけなくて、支援のスピード感も落ちると思ったので」。考えに変化が生まれたのは、難民があふれるウクライナの現状を憂慮したからだ。入国当初、用意していた支援のための自己資金は5000万円。すでに3分の1ほどになっており、長期にわたってサポートしていくことが必要と判断した。
「これまでは自己資金でやってきましたが、やはり個人の資金では限界がある。他にも協力してくれる企業があればうれしい。一時的でなく、ビジネスとして持続的な支援を続けたい」と、伊藤さん。今後は賛同してくれる企業とともに、持続可能なサポートを実現していく。