伊東四朗が振り返る64年の芸能生活「何をやってきたんだと言われたら、バラバラです」
俳優の伊東四朗が30日、都内で行われた「第43回松尾芸能賞贈呈式」に登壇。同賞で特別賞を受賞し、喜びの声を上げた。伊東は舞台、テレビ、ラジオ、映画などの多彩な活躍はもとより、喜劇役者としての滑稽と哀愁を織り交ぜる至芸が評価されている。
松尾芸能賞特別賞を受賞、64年の芸能界振り返り「バラバラでもよきことかな」
俳優の伊東四朗が30日、都内で行われた「第43回松尾芸能賞贈呈式」に登壇。同賞で特別賞を受賞し、喜びの声を上げた。伊東は舞台、テレビ、ラジオ、映画などの多彩な活躍はもとより、喜劇役者としての滑稽と哀愁を織り交ぜる至芸が評価されている。
伊東は「本日受賞した皆さんは秀でた一芸を持っていらっしゃる方ばかりです。私にはそういうものはありません。では64年やってきた芸能界でお前は一体何をやってきたんだと言われたら、一言、『バラバラです』」と話して笑いを誘った。
さらに、「過去には、ベンジャミン伊東などという世の中のひんしゅくを買ったものもありますし、朝ドラの視聴率最高といわれたおしんの父親みたいな役も回ってくるんです。ずっとバラバラでやってきたんですけども、こんな素晴らしい賞をいただいたことで、バラバラもよきものかなと思うに至りました。本日は本当にありがとうございました」と声を弾ませながら頭を下げていた。
MCから「このご時世で喜劇役者に求められるものは大きいと思いますが」と伊東に話を振ると、「つながってくれるとうれしいなと思いますね。喜劇を志す人がどんどん出てきてくれるということがね。喜劇役者は最高なんです。喜劇の中には何でも入っているんです。ベンジャミンは別ですよ。皆さん、喜劇の畑に入ってきてください」と熱弁を振るっていた。
1980年に創設された松尾芸能賞は、日本の芸能の保存・向上に寄与した人物に与えられる芸能賞。過去には、故・藤山寛美さん、故・橋田寿賀子さん、故・森光子さんらが大賞を受賞している。
ほか、優秀賞には菊原光治(邦楽)、春風亭小朝(落語)、シルビア・グラブ (演劇)、尾上菊之丞(舞踊)。新人賞には坂東巳之助(演劇)、功労賞には坂東竹三郎(演劇)、大賞は野村萬斎(能楽)が受賞した。