マルチに活躍を続ける49歳・武田真治。ミュージシャン、俳優としての活躍も際立つ芸能生活32年だが、忘れてはならないのが「めちゃ×2イケてるッ！」（1996年～2018年／フジテレビ）にレギュラー出演していたという点だろう。武田自身も「強烈な出会いだった」と明かすほど刺激を受けた22年間。改めて当時の衝撃を振り返ってもらった。（取材・文＝中村彰洋）

　突然のオファーだった。「めちゃ×2モテたいッ!」（1995年～96年）の出演依頼を受けたときは、もちろん驚きと戸惑いもあった。しかし、その不安を払拭（ふっしょく）させたのは2人の人物との出会いだった。

　武田は当時について「“伝説の演出家”片岡飛鳥さんが熱心にくどいてくれました」と振り返る。加えて、メインMCだった「ナインティナイン」岡村隆史との出会いは特別だった。

「顔を見たときにこの人すごいなって。目がキラキラしていて、カリスマ性をすごい感じましたね。例えば、バンドの人たちって“出会ったときから輝いていて、『こいつの横でギター弾きたい！』と思ったよ”みたいなことを言うじゃないですか。僕もバンドを組みたいと思って、北海道から出てきたんですけど、音楽仲間との出会いよりも強烈な出会いが先にあったって感じですね」

　お笑い芸人の中に飛び込むことへの不安はあった。「芸人さんに楽器を持たせて、演奏してくださいと言ってもできるわけがないのと一緒で、僕に笑いができるわけがないというところからスタートしました」。しかし、「面白いか面白くないかは自分では分かりませんが、20年以上在籍できたことで、最初の頃よりは楽しい人間になれたのかなと思います」と成長を実感する日々だったようだ。

　極楽とんぼ、よゐこ、鈴木紗理奈……。今でこそ会う機会も減少してしまった「めちゃイケ」メンバーだが、番組が終了したからこそ特別な強い思いを抱くようになったとも明かす。

　芸歴32年を迎え、今年の12月には50歳になる。そんな武田だが、「彼ら（めちゃイケメンバー）との時間がなかったら芸能界における立ち振る舞いみたいなものを学ぶことはなかったかもしれないですね」と感謝の思いを口にする。