T-BOLAN森友嵐士のライフワークは米作り 自然と向き合う面白さに気づいたきっかけは?

約28年ぶりのオリジナルアルバム「愛の爆弾=CHERISH ~アインシュタインからの伝言~」をリリースしたロックバンド「T-BOLAN」の森友嵐士に聞くインタビューシリーズ。5回目は森友のライフワークである日本の美、日本の自然と向き合う面白さについて語ってもらった。

自然と向き合う面白さについて語ったT-BOLANの森友嵐士【写真:塩見徹】
自然と向き合う面白さについて語ったT-BOLANの森友嵐士【写真:塩見徹】

親子の絆も深めたい

 約28年ぶりのオリジナルアルバム「愛の爆弾=CHERISH ~アインシュタインからの伝言~」をリリースしたロックバンド「T-BOLAN」の森友嵐士に聞くインタビューシリーズ。5回目は森友のライフワークである日本の美、日本の自然と向き合う面白さについて語ってもらった。(インタビュー・文=福嶋剛)

――森友さんは米作りやお酒作りなど、日本の食と自然をテーマにさまざまなプライベート活動を行っています。今回はその中でお米作りについて聞かせてください。

「実は俺はかなりのお米好きで、自分が思い描くお米の作り方みたいなのがあって(笑)。そんな理想のお米が作れたらいいなってずっと思っていたんです。ある時、仲間に誘われて京都にある京丹後という町までカニを食べに行ったんですが、カニと同じくらいご飯がものすごく美味くて。

 あまりにも美味かったから、そこのお米屋さんまで直接買いに行ったんです。お米屋さんに到着すると、お店の窓から美しい田園風景が広がっていて『俺もこんなお米が作れたらいいな』ってご主人に話かけたんです。するとご主人が『本当にやってみます?』て聞くから、『やってみたいけれど、ものすごくこだわりたいんです』って言ったら『そんな場所ありますけど』ですって(笑)」

――その「ものすごいこだわり」とは?

「まず人間が手付かずの山があって、その山から一番最初に流れてくる水で米を作りたい。人間の都合が関わっていないところに落ちた雨が小川となって流れているようなそんな土地で、自分の大好きなお米を作ってみたかったんです。もちろん無農薬でね。自然の中に存在している100のものをお米に注ぎ込みたいって。そんな現在の常識を壊すところから始めてみたいって思ったんです」

――その理想の米作りは大変だったのでは?

「大事なのは作っている時にワクワクできるってことです。そのワクワクする要素っていうのは俺にとって仲間になるんです。別に名もなき人たちでいいんです。だから京丹後に行くとまったく知らない人たちといつも一緒に農作業を始めるんですが、人数分の作業衣装を作って『今日はみんなよろしくね!』と言って、腰をかがめて1つ1つ苗を植えていく。一番大変なやり方、お米に対して一番愛情があるやり方で丁寧にやっていくんです。

 大変な作業ですが、みんな楽しく一生懸命やってくれるんです。もちろん途中で疲れてくるじゃないですか。そしたら俺が『エンジョーイ!』って叫んだら、みんなで『イェーイ!』って一斉に掛け声を出してもらうんです(笑)」

――まるでコンサートみたいです。

「そうやって声を出したらみんな元気になって気持ちがリセットされるんです。仲間とじゃれあって、泥だらけになったりするとみんなで笑ったりして。そうやって大人たちが泥だらけになって笑いながらやっている姿を見ると、子どもたちも楽しくなってくるじゃないですか」

――森友さんのSNSにその様子が写真で紹介されていましたが、話を聞いているだけで楽しそうな光景が浮かんできそうです。

「そうやって楽しくやっていると、大人たちも子どもを叱ることなんかなくなるわけです。自分が汚れているのに『汚れるからやめなさい』とか言わないじゃないですか? 田んぼの中で子どもたちがじゃれやって泳いだりしても最後はみんなで大笑いしてね。俺が子どもの頃はまだそういうものが残っていたんだけど、今の時代だって、やろうと思えば実現できるんです。

 大事なのはワクワクしながらやるってこと。大好きな日本の美しい自然の中で、大好きな美味しいお米をワクワクできる仲間たちと一緒に作る。今回のアルバム『愛の爆弾=CHERISH ~アインシュタインからの伝言』にもそんな未来に残していきたいメッセージが込められていて、改めてみんなで『大切なこと』を考えるきっかけになったらいいなってそう思っています」

□T-BOLAN(ティー・ボラン)ボーカル森友嵐士、ドラム青木和義、ギター五味孝氏、ベース上野博文の4人からなる伝説のロックバンド。1991年7月シングル「悲しみが痛いよ」でデビュー。同年12月にリリースしたセカンドシングル「離したくはない」が異例のロングヒットを記録。その後も次々とヒット曲を連発するが、ボーカルの森友が心因性発声障害を発症し、それが原因で99年に解散。森友の懸命なリハビリの末、2012年、奇跡の再結成を遂げた。しかし15年3月今度はベースの上野がくも膜下出血で倒れ、一時は意識不明になるも家族やメンバーの献身的な看病もあり、16年12月31日に奇跡の復活を果たす。そこでT-BOLANは完全復活を宣言。18年には約23年ぶりの本格的な全国ツアーを敢行。そして22年3月14日、約28年ぶりとなる待望の6thオリジナルアルバム「愛の爆弾=CHERISH ~アインシュタインからの伝言」を発売。さらに4月13日には、メジャーデビュー30周年を迎えたベストライブツアーのファイナル公演を完全収録したDVD「T-BOLAN LIVE HEAVEN 2020『the Best』~繋~ 愛の爆弾=CHERISH FINAL」も発売する。

ライブスケジュール(今後のスケジュールは決定次第発表)

「T-BOLAN『愛の爆弾 PROJECT~MESSAGE FROM アインシュタイン』LIVE TOUR 2022」
4月15日(金)千葉・成田国際文化会館
4月23日(土)京都・舞鶴市総合文化会館 大ホール
5月01日(日)神奈川・神奈川県民ホール
6月03日(金)熊本・荒尾総合文化センター 大ホール
6月04日(土)福岡・福岡市民会館 大ホール
9月18日(日)長崎・長崎ブリックホール 大ホール
9月19日(月・祝)大分・大分iichikoグランシアタ

T-BOLAN公式HP
http://www.beinggiza.com/zain/t-bolan/
公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCOmsRA-uLJ2y6UaGC-9iCyw

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