河瀬直美総監督「東京 2020」公式映画の公開決定 異例の2作品となった理由とは?
映画監督の河瀬直美が24日、都内で行われた「東京 2020 オリンピック」公式映画製作報告会見に登壇した。会見では、「東京 2020 オリンピック SIDE:A」(6月3日公開)と「東京 2020 オリンピックSIDE:B」(6月24日公開)の異なる視点からの2作品を公開することを発表した。
「河瀬直美としてこの映画をしっかり世の中に出していきたい」と意気込み
映画監督の河瀬直美が24日、都内で行われた「東京 2020 オリンピック」公式映画製作報告会見に登壇した。会見では、「東京 2020 オリンピック SIDE:A」(6月3日公開)と「東京 2020 オリンピックSIDE:B」(6月24日公開)の異なる視点からの2作品を公開することを発表した。
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総監督を務めた河瀨は「市川崑監督が先の五輪の素晴らしい映像美を描かれた作品の後を継いで2本、作らせていただきます。現在も編集中でなかなか終わりません。一つの作品にするために時間がかかっています」と現状を報告した。
第32回オリンピック競技大会東京2020は、史上初めての延期。2021年夏、いまだ収まらないコロナ禍、史上初のほぼ無観客開催の決定、関係者の辞任など、開催に賛否両論がある中で開催された。第5回ストックホルム大会以来、撮り続けられているオリンピック公式映画だが、今回は異例の大会。その開催に至るまでの750日、5000時間に及ぶ膨大な記録を元に撮り続けた。
「SIDE:A」では、表舞台に立つアスリートを中心としたオリンピック関係者たちの秘めたる思いや情熱、苦労を映し出すが、「SIDE:B」は大会関係者や一般市民、ボランティア、医療従事者などの非アスリートたちを描く。
2作品となる経緯について河瀨は「一番はコロナですね。1年延期となった時点で撮影も始めていたので、そこからの1年間の模索を描かずに五輪のアスリートの模様だけでは、未来に伝えていくアーカイブの意味がないんじゃないかなと思いました。撮影中から2本作れたらいいなと思っていました」と説明。本作は河瀬からの提案で2作品となったという。
批判もあった今回の五輪だったが、河瀬は「最近、『萌の朱雀』という自分の最初の映画をじっくり見る機会があって、あのとき私は自分がいいなと思うものを描いていたと確信を持ちました。自分がいいなと思うものは、私が監督としての主観としていいなと思うものではなくて、もう一人の私が観客席にいたときにこういうものを見せられたらいいなと思ったもの。それを真摯(しんし)に作っていければいいなと考えています。河瀬直美を選んでくれた人がいたとしたら、河瀬直美としてこの映画をしっかり世の中に出していきたい」と意気込みを語っていた。
「東京 2020 オリンピック」は、2021年7月23日より17日間にわたって、オリンピック史上最多となる33競技339種目が実施された。
※河瀬直美の「瀬」の正式表記は右上が刀