【RIZIN】山本空良の父・喧一会長が「UWF継承マッチ」の舞台裏激白「(骨が)パキッと」
山本空良の関節技でパキッと鳴っていた
――いわゆる回転体と呼ばれる、UWF的な動きになる場面がありました。
「1度は中村選手の得意な組み合いの場面になると思っていました。でもそこで空良がしっかり対応するようなところを見せつければ、おおー! ってなるじゃないですか。そこがひとつ重要なポイントだったと思うんですよ。評価する点としてはそこから反撃したってことですね。三角絞めを取りにいって、十字を取りに行って。あれでニアフィニッシュまで行ったじゃないですか。あとで聞いたら、あれパキッと鳴っていたらしいんですよ。終わってから中村選手が控室にあいさつに来て、『あれ、極まってました』って言っていましたね。もしUWFルールだったらエスケープものでしたね」
――中村選手が試合後に「前日の計量で対面した時に『舐めていたな』と思った」と明かしていました。
「嗅覚が鋭いし、経験も豊富だから分かったんでしょうね。相手の技量が中村選手には分かったんだと思います」
――判定の結果は、僅差だったと思いますけど、終わった瞬間はどう思いましたか?
「あとで冷静に考えたら、ウチで妥当かなと思いましたけど、そのときはそんな悠長な状況じゃなくて、極めきれなかったこと、1本なりKOできなかったことへの憤りがありましたね。っていうのは、判定までいったら負けだっていうのが過去にもあったので。だから判定まで行ったら、僕らからしたら負けなんですよ。だから判定勝ちなんて目指すなよと。最後の1秒までフィニッシュを狙いに行けよっていう教え方なんですよ。ウチでよくやっているので、最後の30秒になってからエンジンをかける練習があるんです。実際、残り数秒で極めたりしたら湧くじゃないですか」
――湧きますね、確実に。
「それを今のMMAでもやれる選手が出てきたら面白いし、自分がUWFで学んだことを活かして育てた選手が業界に居着いてほしいし、輩出していきたいっていう思いがありますね。それが『=Uを残す』ってことにつながると思っています」
――最後にヒザ十字固めを狙った場面があって、試合後の空良選手いわく、「会長が(1999年に)UFC-Jでベルトを取った試合でそれで勝ったから、自分もそれを狙った」旨を話していました。
「本人的には残り時間も少なくなってきたので、一発逆転で、あそこであのタイミングで狙ったんだと思います。だからお客さんのことを少しは意識しているんじゃないですかね。でも僕は『まだ意識せんでいい。まだお前は勝たなきゃはじまらないんだから、必死に練習してきたことを出せばいい』って言ったんですけど、こんなステージに来て、これだけ注目されると、本人も考えちゃいますよね」