皇治がアンチを“有名税”と呼ばないワケ お騒がせ男流「誹謗中傷」の捉え方

昨今の格闘家はSNSでの発信にも力を入れている。インターネット上で繰り広げられる“舌戦”や選手の日常を知ることができるのはファンにとっても楽しみの一つだ。皇治も積極的に発信し、盛り上げている選手のうちの1人。たびたび格闘技界を騒がせる、“浪速のエンペラー”がSNSとの関わり方を明かした。

誹謗中傷を“幸せ税”と呼ぶ理由を話してくれた皇治【写真:山口比佐夫】
誹謗中傷を“幸せ税”と呼ぶ理由を話してくれた皇治【写真:山口比佐夫】

「俺にとってファンは“俺”皇治」

 昨今の格闘家はSNSでの発信にも力を入れている。インターネット上で繰り広げられる“舌戦”や選手の日常を知ることができるのはファンにとっても楽しみの一つだ。皇治も積極的に発信し、盛り上げている選手のうちの1人。たびたび格闘技界を騒がせる、“浪速のエンペラー”がSNSとの関わり方を明かした。(取材・文=島田将斗)

 公開練習後に印象的なシーンがあった。「試合後になんと言いたいですか」というファンからの質問に対してだ。皇治は「それは試合後に言うことやろ」と言いつつも丁寧に答えていた。ファンとはどんな存在なのだろうか。

「俺にとってファンは“俺”ですよね。皇治ですよね。リングネームの皇治っていうのはファンがいなかったら成り立たなかった。リアルに感謝していますよ。口だけじゃなく」と思いを明かす。

 ファンとの交流の場にもなっているSNS。「みんなに勇気を与える場所」と皇治は表現する。「YouTubeにしてもそうですし、ありのままの俺を見ていただけたらと思う。収益がどうこうというよりは、不細工な部分を見せたり、ポエムみたいなことをよく書きますけれど、10人が腹立つっていっても3人に対して生きる希望になれば全然それでいいじゃないですか」。

 一方でアンチもいる。20日の試合が直前に迫る今、自身のSNSに寄せられる「ルールちゃんと覚えとけよ」「粗大ゴミだから」「もう諦めようよ。 負けたら引退」といったやる気を削ぐような辛辣(しんらつ)な言葉も少なくはない。

 その心ない言葉の存在は“有名税”という言葉で片付けられることもあるが、皇治はそうは呼ばない。

「“幸せ税”だと思っていまして。お金持っているだけで税金かかるんですから、こんだけ仲間に支えられて、幸せ持っていたら税金払わないけないと、こう思うんですよ」。

“幸せ税”とは皇治らしい言葉だ。 さらにこう続ける。

「有名税とはまた違うんですよ。だってほら他の有名じゃない子らもいっぱい言われてるじゃないですか。でもそれを“誹謗中傷”と捉えずに“幸せ税”と思ったら生きられるんじゃないかな。悪口言われて心を病む子もいるけれど、そういう風に捉えたら楽になるのかなって」。

 ファンを語る姿に、笑顔が絶えることはない。“幸せ税”――。その言葉には皇治の優しさがあった。

トップページに戻る

あなたの“気になる”を教えてください