皇治、3か月の“冬眠”から復帰 32歳の気づき「ハングリー精神がなくなっていた」

「分かりやすく勝たないといけない」皇治は決意を口にした【写真:山口比佐夫】
「分かりやすく勝たないといけない」皇治は決意を口にした【写真:山口比佐夫】

「俺はRIZINという舞台では結果を出していない」

 それでも大きな間隔を開けずにRIZINに戻ってきた。これまで大阪大会のオファーを断っていたが、今も昔も変わらない皇治の信念が復帰を可能にした。

「自分は、昔から損得関係なしに仲間のためにけんかしてきましたし、仲間を守るのが好き。そういう生き方をしてきた自負がある」と熱を帯びる。

 頭から離れない姿もあった。皇治は「カメラの前であの人(榊原CEO)が頭をさげはった。断ったのにオファーがくるっていうことは大阪大会、相当盛り上がりに欠けているんやろなって。ここで断ったら“漢”じゃないなと思った。自分の体調とかモチベーションとか関係なく、リングに上がろうと思いましたね」とニヤリと笑った。

 地元・大阪での試合はメインではなく、セミファイナルという立ち位置だ。再三、「オープニングマッチでいい」と言ってきたのにはワケがあった。

「ほんまに昔はね、俺がメインじゃなきゃあかんとかを思っていましたけれど、今は素直に若い子たちがやればいいです。そういう(=経験)ので若い子たちは分かるようになるんですよ。『さんざんいきってセミがいいとか言ったけれど、こんなに結果がいるんや』とか気付くんです。それでプロ意識がもっと高まる思う」

 そしてこう続ける。「ほんまに俺はRIZINという舞台では結果出していないので。セミとかもういいですよ。ささっと試合をして、ささっと帰りたいですよ。大阪大会に必死で出たいと思って調整してきた人もおる。俺は助けるために出てるんでいいんですよ」。

 決戦は近くに迫っている。皇治は「分かりやすく勝たないといけないと思う。去年の試合を払しょくできるとするならばKOしかない」と内容も求める。

 理屈ではない。3・20、皇治が見せた“漢気”のその先をこの目に焼き付けたい。

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