FFXIV、“RPG2本分”を無料開放し続ける理由 世界中で躍進、魅力を伝える異例の施策
ゲーム業界が世界中で発展を続ける中で、“日本発”のゲームとして世界中で躍進を続けているのがMMORPG「ファイナルファンタジーXIV」(スクウェア・エニックス/以下、FFXIV)だ。綿密に作り込まれた世界観やストーリー、ゲーム内コミュニティーの成熟など、FFXIVにはさまざまな魅力があるが、実は対応するパソコンかPlayStation4/5さえあれば、「フリートライアル」として無料で“RPG2本分”相当のボリュームを楽しむことができる。大胆な施策だが、プレイヤー数の伸びを見れば成功と言えるだろう。開発・運営を進めるファイナルファンタジーXIVチーム(以下、FFXIVチーム)に、取り組みの理由などを聞いた。
世界で躍進するFFXIV 月額ゲームでは異例の施策を継続中
ゲーム業界が世界中で発展を続ける中で、“日本発”のゲームとして世界中で躍進を続けているのがMMORPG「ファイナルファンタジーXIV」(スクウェア・エニックス/以下、FFXIV)だ。綿密に作り込まれた世界観やストーリー、ゲーム内コミュニティーの成熟など、FFXIVにはさまざまな魅力があるが、実は対応するパソコンかPlayStation4/5さえあれば、「フリートライアル」として無料で“RPG2本分”相当のボリュームを楽しむことができる。大胆な施策だが、プレイヤー数の伸びを見れば成功と言えるだろう。開発・運営を進めるファイナルファンタジーXIVチーム(以下、FFXIVチーム)に、取り組みの理由などを聞いた。(取材・文=片村光博)
「FFXIV」は旧バージョンが2010年に発売されたものの、12年にはプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏の下、再始動のためにサービスを一度終了。その後、「新生エオルゼア」として13年にサービスを開始し、約2年ごとに大型拡張パッケージを発売し、盛り上がりを見せている。特に昨年12月7日に発売された「暁月のフィナーレ」ではプレイ人口増加による長時間のログイン待ちを受け、ダウンロード版の販売一時停止という事態も発生した。
世界中で躍進を続けるFFXIV。その特徴的な施策がゲームの“体験版”とも言えるフリートライアルだ。本来、FFXIVをプレイするためにはパッケージ版かダウンロード版を購入し、月額料金を支払うことが必要だが、そうした手順を踏むことなく、“RPG2本分”という大ボリュームのゲーム体験と、それに付随するオンラインでの交流を楽しむことが可能となっている。
こうした無料開放は月額課金制のゲームでは難しい判断であり、実際にFFXIVも当初は無料期間の制限を設け、プレイ可能なレベル上限も低めに設定されていた。しかし2017年に期間制限を撤廃、続いて2020年8月から一気に拡張パッケージ「蒼天のイシュガルド」まで無料範囲を拡大している。FFXIVチームはこの決断について、「冒険の序章ともいえる新生エオルゼア編と、プレイヤーからの評価が高い蒼天のイシュガルド編を範囲に含めることで、FFXIVの魅力を存分にお伝えしたいというのが狙いです」と説明。従来のような短期間ではなく、ある程度のスパンでFFXIVの世界、オンラインゲームの楽しさに触れてもらう取り組みは、現在の隆盛を見る限り、大きな成功を収めていると言っていいだろう。
「『オンラインゲームは敷居が高い』と感じる方もいらっしゃるかと思いますが、気軽にこの世界を覗いてみていただける手段としてフリートライアルをご用意しています。また、すでにFFXIVをプレイしているプレイヤーの方が、友人や家族などのお知り合いにFFXIVをおすすめする際にフリートライアルをご紹介くださるケースも多く見られ、大変ありがたいです」(FFXIVチーム)
なお、「暁月のフィナーレ」発売後のアクセス集中を受けてフリートライアルも新規登録を中止していたが、2月22日より登録再開となっている。