荻野目洋子がウクレレで新境地 「ダンシング・ヒーローだけじゃない」新たな挑戦
私にとっての高木ブーさんはウクレレの神様
そしてコロナ禍でライブがすべて中止になってしまい、ここ1年くらいインスタライブでみなさんにウクレレとギターの弾き語りを披露するようになりました。この経験は私にとっては、ものすごいプラスで「楽器ができるようになって良かった」ってようやく思えるようになりました。また、「虫のつぶやき」(2020年、NHK「みんなのうた」)は、作詞作曲に加えてウクレレの演奏まで担当させていただき、今までにない形でみなさんに歌を届けることができました。これは歌手・荻野目洋子を大きく成長させてくれた出来事でもありました。
ウクレレって威圧感もないし、受け入れてもらいやすい楽器みたいなイメージがあって、弾いている人がみんな穏やかな人に見えてきません?(笑)。エレキギターみたいにテクニックを追い求めたり、上手い下手みたいな世界じゃなくて「君もウクレレを弾くんだ? いいね!」ってそんなノリで自然と仲間に入れてくれるような、そんな癒しのパワーがウクレレにはあるんです。
大人数でウクレレを弾いた時、多少ずれていてもそれがとっても気持ち良い味になっていますし、私自身がウクレレを通して改めて音楽の楽しさを発見できたんです。若い頃はもっと歌が上手くなりたいってずっと思っていて、もっと高い歌声を出したいとか、他の歌手の方の素敵な歌声にちょっと嫉妬したりして、「もっと声量があったらいいのにな……」って、いつも高望みをしてばかりいたんです。でも今は側で鳴っている音の中でゆったり楽しみたい。そんなふうに自然体で音楽を楽しめるようになりました。
そしてサザンオールスターズの関口和之さんから声が掛かって、あの「1933ウクレレオールスターズ」のステージに参加させていただくことになったんです。昔、ザ・ドリフターズさんの番組にも出演させていただきましたが、いまやウクレレの神様みたいな高木ブーさんのとなりでご一緒できるなんて。本当にうれしかったです。