アジア最大の総合格闘技「ONEチャンピオンシップ」は2日、都内で10周年興行「ONE・X」（26日・シンガポールスタジアム）の会見を行い、元ONEライト級王者・青木真也と元UFCファイター秋山成勲が出席。対戦決定後初めて直接対面した2人は静かな舌戦を展開した。

　2人は装いから対照的だった。皮のロングコートに白ジャケット、サングラス姿の秋山と、おなじみの丸メガネにノーカラーの白シャツ姿の青木。事前の煽りVTRでは両者から過激な言葉が飛び出していたが、以外にも静かな対面だった。

　秋山は「色々な思いがあり、この壇上に立っています。一ファイターとして尊敬する青木選手と戦えることが光栄。時を経て、こういう状態になりましたが、いいものを見せて楽しい、素晴らしい試合にできたらと思っています」と言えば、青木も「DREAMの時から、受け継いできたものをようやくここで形にできるのは意味があるのかなと思っています。当日、いいものができるように頑張っていきましょう」と返した。

　両者の“因縁”の始まりは、2008年9月の「DREAM.6」。青木が秋山に対戦要求をするも、実現しなかった。

　昨年9月にはONEに所属していた2人に対してオファーがあり決戦の機運が高まったが、秋山が怪我を理由にオファーを断り、試合は消滅。同年11月の「Road to ONE: 5th Sexyama Edition」では、選手として出場していた青木が解説席にいた秋山に対して「（試合のオファーを）お前、なんで断ったんだよ！」と激怒。“場外戦”が繰り広げられ、大きな話題となった。

　顔を合わせての心境を問われた2人、秋山は「青木選手は昔から知っている選手ですし、今ここで会ったからどうこうとはない。いつもの青木選手ですし、いつもの私です」と平常心を貫けば、青木も「なんもないよ。やるだけだよ」と闘志を隠した。意地をぶつけ合うのは当時のリングで十分ということだろう。

　38歳の青木は47勝9敗。現在4連勝中だ。ONEライト級世界王座に4度輝いており、現在同級3位。

　一方の秋山は46歳。柔道をバックボーンに、2004年からMMA転向。「HERO’S」2006ライトヘビー級王者。UFCにも参戦経験があり、“セクシー山”の異名で知られる。前戦は20年2月、KO勝利を収めている。