女性に感謝を伝える「ミモザの日」は根付くか ハロウィーン仕掛け役企業の挑戦
国連によって毎年3月8日に定められた「国際女性デー」。1904年にニューヨークで起こった婦人参政権を求めるデモを起源とし、1975年に制定された女性のための記念日だが、日本ではあまり根付いているとは言い難い。例年、この国際女性デーに合わせたイベント「ミモザフェスタ」を開催、昨年惜しまれながら終了した「カワサキ ハロウィン」でハロウィーンの仮装を全国区に広めた実績もある「チッタ エンタテイメント」に、“ミモザの日”を根付かせるべく構想を聞いた。
イタリアでは国際女性デーの3月8日に女性にミモザの花を贈る風習がある
国連によって毎年3月8日に定められた「国際女性デー」。1904年にニューヨークで起こった婦人参政権を求めるデモを起源とし、1975年に制定された女性のための記念日だが、日本ではあまり根付いているとは言い難い。例年、この国際女性デーに合わせたイベント「ミモザフェスタ」を開催、昨年惜しまれながら終了した「カワサキ ハロウィン」でハロウィーンの仮装を全国区に広めた実績もある「チッタ エンタテイメント」に、“ミモザの日”を根付かせるべく構想を聞いた。
JR川崎駅前の複合商業施設「ラ チッタデッラ」を運営するチッタ エンタテイメントが国際女性デーに目をつけたのは2004年。イタリアでは3月8日を「ミモザの日」として、女性に感謝を込めてミモザの花を贈る風習があり、イタリアの街並みをモチーフにしたラ チッタデッラにピッタリの企画として、キャンペーンを開始した。2015年からはミモザの苗木や鉢植えを増やし、トークショーやマルシェも行いイベント化。当時から運営を務めるイベント事業部の堀口憲吾部長は、日本でなじみ深い花見という形でも、ミモザの持つ可能性に期待する。
「ミモザの日という文化を、ラ チッタデッラの施設内だけでなく世の中全体に浸透させたいと思い、フェスタ化に至りました。お花見といえば桜ですが、ミモザの花は桜より少し前の2月下旬から3月上旬がちょうど見頃。日本ではまだあまりなじみのない花ですが、川崎に来ればミモザのお花見ができるような、新名所のひとつとしていけたらと考えています」
本場イタリアでは、この時期になると店頭にミモザの花が並び、クリスマスやバレンタインデーと同じように盛大に祝われる記念日のひとつ。この2年は新型コロナウイルスの影響で規模縮小を余儀なくされているものの、いずれはカワハロが広めたハロウィーンのように、イベントを通じて日本でも文化として定着させていくつもりだ。協賛や連携する企業も年々増え、今年からは川崎にある7つの商業施設でコラボ開催。川崎市も後援に入り、新たな川崎の観光資源とすべく挑戦を続けている。
「女性の活躍はハロウィーンよりも共感を得られやすい、より愛されるイベントになるのでは。女性のための日を謳っていますが、SNSではお父さんとお子さんが奥さんへの花を買いにきた投稿があったり、女性だけにこだわらず大切な人に感謝を伝えるイベントにしていければ。エンターテインメントを軸にしたチッタ的なアレンジをしていけたらと思います」
今年は元AKB48の板野友美がミューズを務め、トークショーの開催も予定している。ハロウィーンを日本に根付かせたエンターテイメント企業が手掛ける次の一手。“ミモザの日”はひとつの文化として定着していくか。