人気番組や注目番組の舞台裏を探る企画。今回はテレビ東京系「出川哲朗の充電させてもらえませんか？」（毎週土曜、午後7時54分）。出川哲朗が電動バイクにまたがりゲストらと全国を旅する番組。電池切れのたびに地元の人の厚意で充電させてもらい景勝地などの目的地を目指す。出川の人柄の良さとその土地の人との触れ合いに、ほのぼのと温かい気持ちになる。プロデューサーの鈴木拓也氏に出川の素顔や番組の魅力、こだわりなどを聞いた。（取材・文＝中野由喜）

「電動バイクはフルで充電しても1回の充電で20キロ弱しか走れないという制限があります。こんな制限があるものを使って旅をしたら面白いんじゃないかなというのが、企画のスタートだと聞いています」

　スイカの柄のヘルメットがトレードマーク。

「出川さんのヘルメットは番組が深夜の特番としてスタートしたときから、スイカ柄のビーチボールを貼り付けたものを使っています。手作り感がいいので、スタートしてから時間がたった今でも、出川さんのヘルメットはずっとビーチボールを貼り付けたモノのまま。ボロボロになってきたら、また新しくビーチボールを貼り直して作っています」

　どんな基準で旅先を決めているのか。“未踏の地”もあるのだろうか。

「春ならキレイな桜並木が見られるとか、秋にここに行くとおいしい物があるとか……いろんな旬がある場所を時期に応じて選んだり、出川さんとゲストが走って楽しめるんじゃないかなぁという所を選ぶようにしています。まだ宮城と大阪には行っていませんが、今年こそは全国制覇を達成したいと思っています」

　出演したくて免許を取得するゲストもいる。番組は視聴者にもゲストにも人気。

「出川さんの人柄ですかね。本当に裏表のない人。撮影中に出会う誰にでもフランクに接して、優しいし、温かい。もちろんスタッフに対しても。だから楽しい撮影現場になります。スタートとゴールが決まっている以外は、基本的にガチでの撮影になるので、いつ何が起こるか分からないですし、僕たちも1日10時間以上ずっと撮影しっぱなしなので、普通のロケと比べて大変だとは思います。でも楽しくやれているのは、やっぱり出川さんの裏表のない人柄のおかげ。撮影していても、よく地元の方から『みなさん楽しそうですね』と声をかけていただけることが多いです（笑）」

　身近にいるスタッフしか知らない出川の魅力もたずねた。

「朝、集合してから終わって空港で解散するまでテレビで見るそのまんまです。ずっとオンというか、オンもオフもない感じ。あえて言うなら、皆さんの想像以上にまじめで勉強熱心なのかな。『充電』はもちろんですけど、自分が出演している番組をすごく見ています。そして、番組にすごい愛情を持ってくれています。出川さんがよく『編集は作り手からのラブレターだから！　放送はちゃんと見ないと！』って言っていて。なので、僕らは出川さんにラブレターを書くつもりで一生懸命に編集しています（笑）。だから放送の後に出川さんに『面白かった！』と言ってもらえると、素直にうれしいですね。出川さんは一緒に番組を作っている仲間ですけど、僕らは“1番の視聴者さん”として出川さんを位置付けているかもしれません」