“歴史つながり”芸人・房野史典&研究家・河合敦 「背水の陣」で臨んだ制作背景
坂本龍馬をボロクソに書いた房野に河合「なんだか嫌になっちゃうよ」
本書は飛鳥時代から幕末までをテーマに、人物や出来事をピックアップして解説している。房野と河合が最も力を入れた人物は、幕末に活躍した坂本龍馬だという。
房野「坂本龍馬は超有名なので絶対入れようと思っていました。最新の歴史だと『龍馬は実はこれはやっていなかったのでは』という新説が結構あるわけです。僕はいろいろな学者さんの情報を見て書いて、『なかなかよく書けたなー』と思って先生に投げたら、先生から返って来た原稿の一行目が『なんだか嫌になっちゃうよ。房野さんの文章を読んでいると』だった(笑)。そうだ!先生、坂本龍馬大好きだったわ! しまった!!って。『実はこれはやっていない』って書かなければよかったって反省しました(笑)」
河合「僕は『3年B 組金八先生』が大好きで、『金八先生が好きな龍馬を研究しよう』と思って大学で史学を学び、歴史の道に入りました。房野さんがだいぶ龍馬をボロクソに書いてくれた(笑)。でも確かに、『薩長同盟の席に龍馬はいなかった』とか、最近はそういう研究もあります。ここについては一応解説したんですけど、最後は『すごい奴だ!』と書いてます(笑)」
房野「あまりに僕の文章だけが長いのもあれなので短く切りましたが、もう少し長ければもっと龍馬をフォローしてましたよ(笑)」
歴史を愛する2人の熱い思いが詰まった「超現代語訳×最新歴史研究で学びなおす 面白すぎる!日本史の授業」。それぞれの時代の詳しい解説は、ぜひ本書を手にとってチェックしてみてほしい。
□房野史典(ぼうの・ふみのり)1980年10月23日、岡山県井原市生まれ。名古屋学院大学卒。お笑いコンビ「ブロードキャスト!!」のツッコミ担当。戦国武将好きで、歴史好き芸人ユニット「ロクモンジャー」を結成するなど意欲的に歴史普及活動を行っている。YouTubeなどで子どもたちに歴史の面白さを教える授業も好評で、歴史専門家からの信頼も厚い。主な著書に「笑って泣いてドラマチックに学ぶ 超現代語訳 戦国時代」「笑えて、泣けて、するする頭に入る 超現代語訳 幕末物語」「13歳のきみと、戦国時代の『戦』の話をしよう。」(幻冬舎)、「時空を超えて面白い!戦国武将の超絶カッコいい話」(三笠書房)など。
□河合敦(かわい・あつし)1965年、東京都町田市生まれ。青山学院大学文学部史学科卒業。早稲田大学大学院博士課程単位取得満期退学(日本史専攻)。都立紅葉川高校、都立白鴎高校、文教大学付属高等学校などを経て現在、多摩大学客員教授。早稲田大学で非常勤講師もつとめる。第17回郷土史研究賞優秀賞(新人物往来社)、第6回NTTトーク大賞優秀賞、2018、21年雑学文庫大賞(啓文堂主催)。「歴史探偵」(NHK)や「世界一受けたい授業」(日本テレビ)などメディアにも多数出演。主な著書に「早わかり日本史」(日本実業出版社)、「逆転した日本史」(扶桑社新書)、「渋沢栄一と岩崎弥太郎」(幻冬舎新書)など。