武藤敬司 新型コロナ厳戒態勢の中、プロレス大会開催の理由を明かす
プロレスラー・武藤敬司がプロデュースするプロレスリング・マスターズが28日、東京・後楽園ホールで行われた。
プロレスリング・マスターズ後楽園ホール大会
プロレスラー・武藤敬司がプロデュースするプロレスリング・マスターズが28日、東京・後楽園ホールで行われた。
新型コロナウイルスの影響で、安倍首相が26日に大規模イベントの自粛を要請。EXILEやPerfumeのライブが相次ぎ中止となった。そんな中、プロレス界で注目されたのがマスターズだ。昭和のプロレスファンに大人気のイベントでチケットは完売。しかし、安倍首相の表明から2日後というタイミングで興行が迫っていた。
主催するマスターズ実行委員会は検討を重ね、条件つきで開催を決定。会場に消毒除菌剤を設置したほか、来場者にマスクの着用を呼びかけた。さらに、希望者にはチケットの払い戻しに応じる措置を取った。
とはいえ、影響は小さくなかった。
新日本プロレスが11大会の中止を発表したことで、当初参戦予定だった所属選手の天山広吉、小島聡が欠場した。
天山は「今回、マスターズの大会を欠場する事になりまして、私自身も大変楽しみにしておりましたが、やむを得ず出場する事が出来ません。主催者様、並びに関係者各位、そして、楽しみにされていたファンの皆様に、お詫び申し上げます」とツイッターで謝罪。小島も「このような事態となり、心苦しい限りですが、何卒ご理解とご了承の程、宜しくお願い申し上げます」とツイートし、理解を求めた。
メインは武藤、スーパーJ組with蝶野正洋VS藤波辰爾、藤原喜明組のタッグマッチに変更。9割方埋まった観客のほとんどがマスクをつける異様な光景の中、先に登場した蝶野が「声援は小さく」と、飛沫感染防止を念頭にした異例のマイク。そして「マスターズ、今日開催、無謀かと思いましたけど、武藤敬司、心からお礼申し上げます」と大会決行を決断した武藤に感謝した。
試合は熱戦の末、最後は蝶野のケンカキックの誤爆から藤波がドラゴンスリーパーでスーパーJをタップさせ、勝ち名乗りを受けた。
武藤はメイン後に催された「燃える闘魂60周年メモリアルセレモニー」で、アントニオ猪木氏に向かい、「デビュー60周年、喜寿おめでとうございます。世の中、コロナで非常に騒いでいる最中。マスターズのリングにご来場ありがとうございます。暗くなりかけている日本にカツを入れてください!」と話し、プロレス界から日本を明るくすることが1つの目的だったことを明かした。