那須川天心は「友達がいなかった」 才能見出したRISE代表が明かす劇画のような物語
過去最高のファイトマネーに疑いなし「だからこそやるんですよ」
「巨人の星」でたとえるなら、大リーグボール養成ギブスこそつけていないものの、それに近い場面が那須川家の日常には存在した。
「四畳半のひと部屋で、毎日、練習をやってきたわけでしょ。その思いというか情熱というか。今でもそうなんですけど、突破しちゃう力っていうか、あの親子の。まさに劇画の世界ですよ。あの親にしてあの子ですから。それをやりきるっていうのは、たぶん、尋常じゃないと思いますよ。普通はできることじゃない。天心だからこそできるんだと思います。お父さんも『自分の息子だから自分が命を預かってできるけど、他の選手たちにはそこまでできない』って言っていましたね。そのなかでも、それをやってきたのが風音だと思いますね。だからこそ(那須川会長は)やらせてくれって言って来たんだと思います」
実は会見後、那須川会長は自身のSNSに以下の投稿している。
「何があろうがブレずに信念を突き進め!風音、やってやろうぜ」
これこそが“公開親子ゲンカ”の幕が切って落とされた瞬間であるとともに、那須川会長の決意表明だったに違いない。
天心にとっては失礼ながら、風音が勝ったら大変なことになる。それがあるかもしれないと思うからこそ、このカードを観る価値が出てくる。
「勝負の世界って、たぶん(今回の勝率は)8、9割は天心だと思う。ただ、たとえ(勝つ確率が)1%だったとしても、努力によってそれが2%、2が4、16、32、64…とかなっていくわけですよ。最終的にはひっくり返るかもしれない。だからこそ分からないですよ」
たしかにリングに上がってしまえば、いつ何時、勝敗の行方は五分五分。結果が出るまでは誰にも分からない。
だが、6月にはここ数年の懸案であり、ファン待望の天心VS武尊がついに実現することを考えると、天心にとって22年は人生における大一番が続くことになる。これに関して伊藤代表は、「僕はね、練習は一緒で大丈夫だと思います。(風音と武尊は)おおまかに言うと似ているんですよ」と証言する。
まさか風音と武尊が似ていたとは驚きだが、さらに驚くのは、昨年末にあった天心V武尊の会見上、主催者のRIZIN榊原信行CEOが「過去最高のファイトマネーを出す」旨の発言をしていることだ。
「出すんじゃないですか? それだからこそやるんですよ。(金額は)言えないですけど、じゃなかったら天心も動かなかっただろうし(正式発表は)榊原代表が、実行委員会を作ると言ってましたのでそこは発表があると思います。今月中か、来月の早いうちでしょうね。もうちょっとオミクロンが収まった時期だとは思うんですけど、詳細はほぼ決まっているので、発表は近い時期だと思いますよ」