週休3日制、収入減なら「利用したくない」が8割 「休み重視」と「給与重視」は世代で差
総合転職情報サイト「マイナビ転職」が、正社員男女800人を対象に「週休3日制の意識調査」を実施。週休3日制の利用意向、週休3日制に対する不安や期待、休みと仕事満足度の関係、仕事選びにおける休みの重要性など、正社員の本音が明らかとなった。
マイナビが20~50代の各年代で200人ずつ、正規雇用者800人を対象に調査
総合転職情報サイト「マイナビ転職」が、正社員男女800人を対象に「週休3日制の意識調査」を実施。週休3日制の利用意向、週休3日制に対する不安や期待、休みと仕事満足度の関係、仕事選びにおける休みの重要性など、正社員の本音が明らかとなった。
調査は2021年12月24日~27日の期間、20~50代の各年代で200人ずつ、正規雇用者800人を対象にウェブで実施。「週休3日制の利用意向」については、勤務日数の減少に併せて収入も減少する場合、「利用したくない」が約8割(78.5%)に。一方、収入は変わらず1日当たりの労働時間が増える場合、「利用したい」と回答したのは約半数(46.1%)で、1日の労働時間も収入も変わらない場合は「利用したい」が約8割(77.9%)となった。週休3日制の利用意向には、収入の減少が大きく影響するようだ。
週休3日制に限らず、今より休みが増えたときに想定される仕事への影響については、「収入が減りそう」が最も多く(35.0%)、「効率的に仕事を進めるよう努力しそう」(26.5%)、「長く働き続けられそう」(25.3%)が続いた。前述の結果と同様に、休みが増えることに対しては仕事への好影響よりも、収入減少に対する不安感が大きいことがうかがえる。
今の職場で週休3日制は可能かどうかでは、「不可能」(「どちらかというと」を含む)と回答した人は60.1%で、「可能」の39.9%を約20ポイント上回った。不可能と思う理由は、「仕事量が多いから」「人手不足」といった意見が多く、「仕事内容的に難しい」や「属人的業務があるため」など職種や業務内容による理由もみられた。また、年収が高い層や若い年代ほど「可能」の回答が多かった。
仕事の満足度と週休の関連性については、週休が多い人ほど仕事満足度が高い傾向にあった。また「給料は高いが休みは少ない」と「給料は少ないが休みが多い」のどちらがよいか聞くと、全体では「休み重視」が49.9%、「給与重視」が50.1%と半数ずつで拮抗したものの、年代別に見ると20~30代では「休み」、40~50代では「給料」を重視する割合が高かった。若年層ほど休みを重視しており、若手社員のエンゲージメント向上において「休み」は大切な要素であることが分かった。
今回の調査結果を受け「マイナビ転職」の荻田泰夫編集長は、一部の企業で導入が見られ始めた「週休3日制」について「企業側としては、子育て世代や介護世代の離職の防止、余暇時間増加による社員のスキルアップなどを期待する声が聞かれますが、働き手の意識としては、収入減少への危機感が顕著にうかがえる結果となりました。とはいえ、休みの多さと仕事満足度や生活満足度はある程度比例するという一面も明らかになり、人材を定着させるという観点では、社員のライフステージやモチベーションに合わせて、週休日数を選択可能にするというのも一つの方法かもしれません」と総評。
また、週休3日制が難しい理由として「人手不足」が一定数あがったことから、「導入する際は、業務の効率化や自動化、社員間で不公平感が生じないようにする配慮なども、併せて検討する必要がありそうです」と結んでいる。