Netflix韓国ドラマ「今、私たちの学校は…」の世界1位が続く理由 絶望と痛烈な社会批判
Netflixで1月28日に公開された韓国のゾンビドラマ「今、私たちの学校は…」(英題・All of Us are Dead)が世界を席巻している。オンライン動画サービスランキング集計サイトのフリックスパトロールによると、同ドラマは公開以降テレビ番組部門で1位を独走。Netflixの集計(1月31日~2月6日)でも2位に大差をつけて圧倒的な1位となっている。
オンジョ派? ナムラ派? 推しのヒロインめぐりネットで盛り上がり
Netflixで1月28日に公開された韓国のゾンビドラマ「今、私たちの学校は…」(英題・All of Us are Dead)が世界を席巻している。オンライン動画サービスランキング集計サイトのフリックスパトロールによると、同ドラマは公開以降テレビ番組部門で1位を独走。Netflixの集計(1月31日~2月6日)でも2位に大差をつけて圧倒的な1位となっている。
(※以下、ドラマの内容に関わる記述があります)
同ドラマはゾンビウイルスが広がった学校内に閉じ込められ孤立した高校生たちが生き残るために死闘を繰り広げるストーリーで、原作は2009年から韓国のネイバーウェブトゥーンで正式に連載が始まった同名マンガ。Netflix史上最大の大ヒット作となった韓国ドラマ「イカゲーム」の記録にどこまで迫るか注目が集まっている。
学園内のいじめに激怒した教師がゾンビウイルスを開発。思わぬ事態でウイルスが流出し次々と教師や生徒、住民らの間に感染が広がっていく。ゾンビが激増していく中、ついに戒厳令が敷かれ軍部がゾンビ全滅作戦に乗り出すが、校内には未感染の生徒たちが残っていた。生徒たちは迫りつつある命の危機に対し一緒になって自力で脱出する方法を考え抜く。
それにしても学園ゾンビドラマがなぜこれほど世界を熱狂させているのか。
「世界的なコロナパンデミックが続いていますが、『今、私たちの学校は…』でもウイルスの犠牲になった人やウイルスと戦う人が迫真の演技で描かれています。感染しても無症状のケースがある、というところも現在のコロナウイルスと似た設定になっていて、別世界の出来事とは思えないストーリー展開となっています。救助に向かったはずの兵隊が生徒たちを見捨てるシーンについては、実際に約300人の高校生らが犠牲となった2014年の旅客船セウォル号沈没事件を連想する視聴者も多かったのでは。生徒が言う『大人を信用しない』というせりふには、韓国社会に対する痛烈な批判と子どもたちの絶望感が込められています。それでもなお家族の絆や友達を守りたいという固い決意を貫く登場人物たちの姿に多くの視聴者が感動するのでしょう」(韓国ドラマに詳しい放送ライター)
もちろん映像も圧倒的な迫力だ。イントロの部分では増殖する不気味なウイルスをクローズアップすると実はゾンビの大群だったというモノクロシーンが恐怖を増幅。血だらけのゾンビの大群が全力疾走し人間にかみつくシーンに手加減はなく軍が発射したミサイルによる爆破シーンでは強烈な炎が校舎をなぎ倒していく。
ネットでは「めちゃくちゃ面白くて一気見してしまった」「衝撃の数々すぎて2日で見終わった」「完走。もうすごいいろんな場面で泣いた」「残酷で悲しすぎて泣けるしでも面白いしキュンもある」「ゾンビドラマと思えないくらい恋愛と友情要素が強めで良かった」「コロナ禍を意識して制作されたのが一目瞭然」「極限状態なのに恋愛とか進路の話しちゃう。高校生にしたらそれが世界のすべて」「本当に怖いのはゾンビではなく人間」「ラストはシーズン2への伏線なのか」「個人的にはイカゲーム超のドラマ」などの声が続々と上がっている。
一方、2人のヒロインをめぐっては学級委員長のナムラ(チョ・イヒョン)派とオンジョ(パク・ジフ)派に分かれて“推し活”合戦が繰り広げられている。最初は心を閉ざしていた優等生のナムラだったが、危機が進む中で同級生との友情を育んでいく姿が強い印象を残した。スカートを翻して校舎屋上から颯爽と飛び降りるナムラのラストシーン。SNSでは「ナムラ推しです。クラス委員長のナムラちゃんかっこよすぎて好き」「本当に可愛くて推しになりました」「ナムラ素敵過ぎる」「ナムラの幸せを願うばかり」「委員長(ナムラ)役の子演技上手」などの反応が多数寄せられ盛り上がっている。チョ・イヒョンは同じくNetflix配信の韓国ドラマ「賢い医師生活」シリーズにも研修医役で出演し注目を集めた。