女子プロレス・アイスリボンつくしが大収穫のCMLL初遠征を総括 「自分の限界を見てみたい」
女子プロレス団体アイスリボンの現インターナショナルタッグ王者つくし選手がキャリア10年目にして初めての海外遠征。2月7日から14日まで、世界最古のプロレス団体、メキシコCMLLに参戦した。プロレスライターの新井宏氏が初遠征を終えたつくし選手を直撃。メキシコでのエピソードを伺った。
"未知の世界"メキシコで待っていた大舞台
女子プロレス団体アイスリボンの現インターナショナルリボンタッグ王者つくし選手がキャリア10年目にして初めての海外遠征。2月7日から14日まで、世界最古のプロレス団体、メキシコCMLLに参戦した。プロレスライターの新井宏氏がつくし選手にメキシコでのエピソードを伺った。
2010年3月14日にアイスリボンでデビューした彼女は現在23歳。12歳で初マットを踏み、アイスリボンの中心選手として活躍してきた。身長148センチ、体重45キロと小柄ながら、ハンディを逆に活かしたトリッキーかつスピーディーなムーブでファンを魅了。元全日本女子プロレスのレジェンド豊田真奈美を“プロレスの母”と慕い、豊田の現役時代にはタッグも結成。現在は団体トップの藤本つかさとともに、自身10度目となるタッグのベルトを巻いている。
若くしてすでに多くのキャリアを積んできたつくしだが、なぜかこれまで海外で試合をするチャンスには恵まれなかった。が、昨年後半あたりからメキシコの選手と闘う機会が増え、今年1月26日名古屋ではCMLLのダリス&ハロチータ組を相手にタッグ王座防衛戦。この試合を前に、新日本プロレス「ファンタスティカマニア」参戦で来日していたネグロ・カサスから伝家の宝刀ラ・マヒストラルを直々に譲り受けたのである。
そして念願の海外試合、しかもメキシコへの遠征が実現した。つくしは2月4日にメキシコシティー入り。7日にはCMLLの金曜定期戦アレナ・メヒコ大会に出場した。同所は1万7000人を収容する大会場。CMLLはここで毎週火曜と金曜に試合をおこなっている。なかでも金曜定期戦がもっとも重要視されており、つくしはメキシコデビュー戦でいきなり注目の大舞台に立ったのだ。
「初めてのメキシコでの試合がアレナ・メヒコ。あれはヤバいですよ(苦笑)。リングに立ったときの景色もすごかったし、お客さんも未知の世界で日本とはまったく違うし。なので、試合前は楽しみより不安しかなくて、プレッシャーで押し潰されそうになりました」
試合は、マルセラ&プリンセサ・スヘイ&つくし組VSダリス&メタリカ&レイナ・イシス組の6人タッグ。あまりの緊張で日本国旗を控え室に忘れてしまったものの(2試合目からはしっかり持参)、試合では慣れないルールながら決勝の3本目をカサス直伝のマヒストラル(ラ・カシータ)で“カサス夫人”ダリスからピンフォールを奪う大金星を挙げてみせた。
9日には北部のモンテレイに移動し、ERLLというローカル団体に参戦した。ここでつくしはレディ・プーマと組みダリス&ツナミ組と対戦。試合には敗れたが、つくしは地元ファンから大歓声を受けていた。過激なほどのサイン攻めにもあっていたのだ(これが彼女をビビらせることにもなる……)。
11日にはグアダラハラに移動し同所でのCMLL定期戦に登場。カードはアビスパ・ドラダ&サネリー&つくし組VSラ・コマンダンテ&ティファニー&メタリカ組で、ここでもつくしがマヒストラルで決勝フォールを奪うことに成功。最後はミサイルキックからのマヒストラルでメタリカを丸め込んだのだ。