AI技術と人力で完成!手塚治虫31年ぶりの新作「ぱいどん」 ちばてつや「手塚さんの血が入っている」
AI技術と人間で“漫画の神様”手塚治虫さんに挑むプロジェクト「TEZUKA2020」が26日、都内の講談社で新作漫画お披露目イベントを行い、日本漫画家協会会長のちばてつや氏、2018年に手塚治虫文化賞短編賞を受賞したお笑い芸人「カラテカ」の矢部太郎らが登壇した。
「TEZUKA2020」新作漫画お披露目イベント カラテカ矢部太郎も大興奮
AI技術と人間で“漫画の神様”手塚治虫さんに挑むプロジェクト「TEZUKA2020」が26日、都内の講談社で新作漫画お披露目イベントを行い、日本漫画家協会会長のちばてつや氏、2018年に手塚治虫文化賞短編賞を受賞したお笑い芸人「カラテカ」の矢部太郎らが登壇した。
もしも今、手塚治虫さんが生きていたら、どんな未来を描くだろう? そんな想いからスタートした「TEZUKA2020」は、キオクシア株式会社(旧社名:東芝メモリ)の人工知能技術を駆使した手塚治虫さんの新作漫画を生み出すプロジェクト。イベントでは、“手塚治虫31年ぶりの新作漫画”がお披露目された。
その作品のタイトルは「ぱいどん」。2030年の東京で、進んだ管理社会に背を向ける男・ぱいどん。記憶をなくしたホームレスだが、小鳥ロボットのアポロと共に事件に解決すべく立ち向かう――というストーリーで、今作は手塚治虫作品を学習したAI技術が生成するプロット(漫画の基本的な構成要素)やキャラクターをインスピレーションソースに、クリエイター陣が人間ならではの感性、経験で作品として完成させている。
手塚治虫さんの息子で手塚プロダクション取締役、ビジュアリストの手塚眞氏は、「まさに手塚治虫の漫画の中の世界のようです。AIが漫画を描くという世界初の試みにチャレンジした、そのこと自体の意義を非常に強く感じております」とコメント。ちば氏はAIが作り上げたキャラクターの感想を「懐かしい感じがしました。『どろろ』『ブラック・ジャック』、いろんな手塚治虫さんの血が入っている、そういうキャラクターだったので懐かしいかったです」と感慨深そうに語った。
一足先に作品を読んだ矢部は、「キャラクターがすごく魅力的で、『ブラック・ジャック』的な性格があったり、『三つ目がとおる』を彷彿とさせるようなギミックがあったり、すごくリスペクトを込めて作られていることが感じられました」と興奮気味に感想を述べ、「ぱいどん」の連載化をリクエスト。手塚眞氏が「先をお描きになりませんか?」と冗談交じりの仰天オファーをすると、大慌ての矢部は「僕がですか?壊滅的にタッチが変わっちゃいます」と恐縮していた。
「ぱいどん」の前編は27日発売の「モーニング」(講談社)に掲載。後編は現在制作進行中で、発表時期などの情報は、「TEZUKA2020」プロジェクトサイトと公式ツイッターアカウントで発表されるという。