小説家としても大人気の紗倉まな 俳優“でんでん”を思い出せずまさかの天然発言
女優などマルチに活動する紗倉まなが26日、小説「春、死なん」(講談社)刊行記念記者会見に出席し、自身3冊目となる小説の執筆エピソードを明かした。
紗倉まな「春、死なん」刊行記念記者会見
女優などマルチに活動する紗倉まなが26日、小説「春、死なん」(講談社)刊行記念記者会見に出席し、自身3冊目となる小説の執筆エピソードを明かした。
2016年に発表した初小説「最低。」が翌年に映画化され、女性作家としても高い人気を誇る紗倉。今作は文芸誌「群像」に掲載され話題となった、“老人の性”を赤裸々に描いた表題作「春、死なん」の他、“母親の性”を題材にした「ははばなれ」も収録された小説集となっている。
「春、死なん」の主人公・富雄は、妻を6年前に亡くした70歳の男性。26歳の紗倉が自分とかけ離れた人物で小説を書いたことについては、「私が属しているアダルト業界のイベントには年配の方も来てくださる機会が多く、かなり遠い存在に思われるかもしれませんが、私の中では身近な、親近感のある存在として映っていました」と説明し、「性欲の処理であったり、寂しさを補填したり補っていくかに前から興味があり、『春、死なん』の題材となる“高齢者の性”に繋がったと思います」とコメント。自分と同じ年代の主人公を書くよりも投影する部分が多かったことを明かし、「富雄は私自身の人格が宿っている部分があり、すごく書きやすかったです」と続けた。
周囲からの反響を聞かれると、「『ははばなれ』は自分の母親の強烈な部分だったり、エキセントリックな部分をキャラクター内に持ち込んだこともあって、母親に『私の個人情報を出すんじゃないよ』みたいなことを言われました」と苦笑い。映像化するとしたら「春、死なん」の主人公は誰に演じてほしい?という質問では、「ぼんぼんさんじゃなくて……でんでんさんだ!」と天然発言も飛び出した。
今作で意識したことを聞かれると、「今回は削る作業が多くて、初めに渡した原稿の半分くらいの量になりました。削ることに特化した部分が強かったので文体にも表れたのかもしれません」と話した一方、まだ自分の文体を見つけられていないようで、「再現性がなくて不安になることもあります。(次回作は)ゴーストライター説が出るくらい変わることはないようにしたいのですが、少し変わるところもある予感はしています」と笑顔でコメント。
読者へ向けては、「“高齢者の性”と“母親の性”という一般的にはタブーとされがちな題材をモチーフに書いた部分もあるので、家庭や社会で自分の担っている役割にしがらみを感じたり、窮屈さを覚えている方は年齢を問わずいると思うので、老若男女、いろんな方にお手に取っていただけたら嬉しいです」とメッセージを送った。