マルタ留学経験を持つ異色の地方局の看板アナが、退路を断って俳優を目指した理由

将来のビジョンを語る小笠原遥【写真:荒川祐史】
将来のビジョンを語る小笠原遥【写真:荒川祐史】

目標は3つ 大河で主要キャスト、帝国劇場の舞台、海外作品配役を勝ち取り出演

 今は、どんなビジョンを思い描いているのか。「自分は言わばオールドルーキー。10代や20代の俳優さんが積み上げてきたような経験はありませんが、自分にしかない経験はある。それらを活かしながら、将来は同じクールで同時に2つの作品に全く違うキャラクターで出演できるような、存在感のあるバイプレイヤーになりたいです」。

 俳優としての具体的な目標は3つある。1つ目はNHK大河ドラマの主要キャストになること。2つ目は帝国劇場の舞台に立つこと。3つ目は海外作品配役を勝ち取り出演することだ。

「目標を小さくするとなぁなぁになる性格なので、あえて大きいものにしています。アナウンサーから転身したことに関心を寄せていただけるのは本当にわずかな時間。演技力がものをいう世界なので、“アナウンサー出身”という枕詞が付かず、お芝居で存在感を出せるように努力することが大事かなと思います」

 憧れの俳優は、阿部寛と堤真一。「実は、お二方にはもう会っているんです。阿部さんとは『祈りの幕』でのインタビュー、堤さんとは『妻、小学生になる。』の第4話でご一緒したシーンがありました。このお二方とは、自分が役者としてさらに成長してまた別の作品で共演できたらと思っています」。俳優業は「アナウンサーとして幅を広げるため」ではない。地方局アナから役者に転身した小笠原は、その名の「遥」の通り、大きな夢に向かって、突き進む。

□小笠原遥(おがさわら・はるか)1989年4月21日、千葉県生まれ。早稲田大学商学部卒業後の2014年、TBC東北放送に入社し、アナウンサーに。18年12月に退社し、現在は俳優とライターの“二刀流”で活動。20年に「半沢直樹」でデビュー。世界遺産検定1級や温泉ソムリエなどの資格を持つ。特技はトランペットと水泳。

ヘアメイク:MISAKI HASEGAWA

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