小池都知事言及「都民葬」とは? 2010年には石原慎太郎さん自身も「東京都葬」を主催
東京都の小池百合子知事が4日の定例会見で「都としてできる限りのことをやっていきたい」と話して言及した、元東京都知事・石原慎太郎さん(享年89)の「都民葬」。ツイッターでは7日、「#石原慎太郎の都民葬に反対します」というハッシュタグがトレンド入りするなど、大きな反響を呼んでいる。そもそも「都民葬」とはいったい何なのか。東京都庁に見解を聞いた。
鈴木俊一元都知事が2010年に亡くなった際、当時都知事だった石原さんが主催
東京都の小池百合子知事が4日の定例会見で「都としてできる限りのことをやっていきたい」と話して言及した、元東京都知事・石原慎太郎さん(享年89)の「都民葬」。ツイッターでは7日、「#石原慎太郎の都民葬に反対します」というハッシュタグがトレンド入りするなど、大きな反響を呼んでいる。そもそも「都民葬」とはいったい何なのか。東京都庁に見解を聞いた。
小池氏は4日の会見冒頭、「今月1日、石原慎太郎元東京都知事が逝去されました。大変残念でございます。また心からご冥福をお祈り申し上げます」と石原氏の逝去に触れ、「都政に残されました数々の功績は、今なお貴重なレガシーとして成熟都市東京にしっかりと根付いているところであります。首都東京の発展に対しての元知事の強い思いを引き継いでいきたいと思います」とその功績を称賛。石原さんの都民葬を行う必要性について報道陣から質問が飛ぶと、「都民葬、都葬については、ご遺族の意向を最大限尊重しながら、都としてできる限りのことをやっていきたい」と話した。
タカ派の政治家として知られた石原さん。その数々の政策や発言については、かねて賛否両論があり、ツイッターでは7日、「#石原慎太郎の都民葬に反対します」というハッシュタグがトレンド入り。「都民葬なんてやったら公が差別を容認することになる」「仮に優秀な政治家であったとしても税金で葬儀にする必要はない」「こんな時期なので家族葬で十分だろ。そもそも本人が望んでなかったのにやる必要があるのか」など、さまざまな声が上がっている。
そもそも都民葬とはどういったものなのか。都庁政策企画局の担当者によると、直近では1979年から95年まで4期16年にわたり東京都知事を務めた鈴木俊一さんが2010年に亡くなった際、当時の都知事としてほかならぬ石原さんが「東京都葬」という形で主催した。このときは政官界や自治体から約250人が参列し、一般市民の献花には約750人が訪れた。1983年逝去の東龍太郎さん、84年逝去の美濃部亮吉さん、2006年逝去の青島幸男さんら過去の都知事が亡くなった際には、何らかの形で都が葬儀に関与したことはあるものの、都葬や都民葬といった呼称がいつから呼ばれるようになったのは定かではない。
今回の石原さんの都民葬も鈴木さんのときと同様のものとなるのか。
担当者は「知事が会見でお答えした内容がすべてで、形式や予算も含めて現時点ではまったく決まっておりません。鈴木俊一氏のときの予算はすぐには申し上げられません」と回答。SNS上での批判的な声については「把握はしております」と話した。
石原さん自身も行った、かつての都知事を送る「都民葬」。今後、都政のレガシーとなっていくのか。